2014/震災被災地を巡回した江戸絵画展が、ロサンゼルス・カウンティー美術館で/4月20日まで

Ito Jakuchu Mandarin Duck

伊藤若冲(1718-1800)作品、鴨と雪をかぶった葦、掛け軸、悦子・ジョー・プライス所蔵  (出典=ロサンゼルス・カウンティー美術館)

ロサンゼルス・カウンティー美術館は、21日に「プライス・コレクション、江戸絵画の美と生命」The Color of Life: Japanese Paintings from the Price Collectionを開幕します。作品の入れ替えがあります。前半の展示は39日まで。後半は315日まら420日まで。

この展示会は、江戸絵画のコレクター、悦子プライスさん、ジョー・プライスさん夫妻(オレンジ・カウンティー在住)が2011年の東日本大震災の被災者を慰めたいと2013年に企画した「若冲が来てくれました  プライス・子テクション 江戸絵画の美と生命」の出展作品です。

プライス・コレクションは、ロサンゼルス・カウンティー美術館が所蔵しています。

若冲が来てくれました  プライス・コレクション 江戸絵画の美と生命

20133月1日から56日まで、仙台市博物館

2013518日から75日まで、岩手県立美術館

2013727日から923日まで、福島県立美術館

 

2013年震災被災地での「江戸絵画」展の開催にあたって、悦子プライスさん、ジョー・プライスさんからのメッセージ

20113月、TVジャパンの緊急放送で私たちは東日本大震災のニュースを知りました。数十分後、津波が押し寄せるのを見て私たちは体が硬直し、放心状態になってしまいました。

災害が起きてから数週間後、テレビに映された梅の花にそれまで硬直していた身も心もほぐれ、泣き崩れてしまいました。一面灰色の瓦礫の中で咲いたあの色鮮 やかな梅の花の美しさは一生忘れることはないでしょう。また私たちは、避難所で配られたおにぎり1個に「ありがとうございます」と頭を下げられておられた 東北の人々に美しいものをお見せしたいとの思いに駆られ、尊敬してやまない辻 惟雄先生に連絡をとりました。

この展覧会は多くの人々や機関の善意によって開催され、すべての収益が東北にもたらされます。数えきれないほど多くのご家族を亡くされた方々、ペットや家 畜を失われた方々をどのように慰めたらいいのか言葉もありません。しかし日本人の先達が残してくれた楽しく、美しく、格調高い江戸絵画が一人でも多くの人 の心の支えになってくれれば、私たちは大変うれしく思います。そして被災された方々が苦しくとも勇気を持って一歩ずつ進み、幸せを取り戻せますよう、心か ら願っております。