『家庭内捨て子物語』
入江健二 著
高山啓子 画
論創社 発行
叩かれると、顔が腫れる だけでなく
心もねじくれて しまいます
幼いころから、できの悪い子といわれ続けてた、のろまなぼんやりグズ二郎。「いつか医者になる」―将来への夢と父への反発心を胸に秘め、やがて二郎は人一倍正義感の強い大人へと成長していく....。虐待を受け、人知れず深い心の傷を抱える子どもたちへの温かな応援歌。
入江健二(いりえ・けんじ)
1940年、東京世田谷生まれ。4歳で奈良へ疎開。生家は東京空襲で消失。戦後、池袋・新宿の焼け跡で育つ。東大医学部時代、ボート部所属。66年、医学部卒業時より当時の「青年医師連合」運動にかかわり、東大病院支部長を務める(67年、国家試験ボイコット戦術により、有名無実の医師研修制度だったインターン制度を廃止に追い込む)。68年より都立大久保病院外科勤務。69年には、総評傘下の都職労病院支部大久保病院書記長に。が、美濃部「革新」都政下、御用組合化した都職労の方針に反対する運動を展開し。2か月の停職処分を受け、分会を追われる。
71年、渡米し、UCLAでがん研究5年。更に医師としての再研修5年の後、81年、ロサンゼルス・リトル東京で開業。73年からはリトル東京の草の根団体「日系福祉権擁護会」の中に主に日系一世・二世を対象とする「健康相談室」を開設、2017年の現在まで続いている。
著書に『リトル東京入江診察所』『リトル東京で、ゆっくり診察十七年』(ともに草思社刊)、『万里子さんの旅』(論創社刊)
カルチュラルニュース書評: 自らの虐待体験の公表で「被害者から加害者へ」の負の連鎖からの脱出の道を追及する人生記録
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