2017/ロサンゼルスの建築大学で、裏千家淡交会ロサンゼルス協会は、茶道紹介を行いました、4月2日
裏千家淡交会ロサンゼルス協会からの報告
2017年4月2日、ロサンゼルス、ダウンタウンのアート地区にある建築大学サイ・アーク (SCI Arc=Southern California Institute of Architecture 南カリフォルニア建築大学) からの依頼で、茶道紹介を行いました。同校の学生13名が参加しました。
すっかり暖かくなったロサンゼルス、アート地区の日曜日、若者たちは自分たちの感性への刺激を求めて街を闊歩しています。 建築大学はアート地区の中にあり、以前は貨物列車の荷降ろしに使用されていた建築物がそのまま校舎としてして使われているという、アバンギャルドな雰囲気の中、内装がコンクリートの打ちっ放しという大学図書館でデモンストレーションを行いました。
金屏風が立てられ道具が荘(かざ・注1)られると、会場の空間の中に、その全く相反すると思われる要素の中に調和が生まれました。普段は最先端の技術を駆使した環境に中にいる学生たちも、400年の歴史を超えた茶道の不変的美しさを感じていたようでした。
会場となったKappe Libraryの責任者ケビン・マクマホン氏の挨拶の後、ロサンゼルス協会の上杉幹事長による茶道の歴史、建築とのかかわりなどの説明が行われ、学生たちは熱心に耳をかたむけていました。 山下・社中(社中は茶道をするグループ)による「春秋棚」(しゅんじゅうだな・注2)を使った点前(てまえ)が始まり、松風の音だけが聞こえる会場で、学生たちは初めて見る所作(しょさ)を真剣に見つめていました。
デモンストレーション見学後、お菓子を頂いた学生たちは、今度は茶点てを体験するワークショップに参加しました。抹茶がパウダー状になっていることや、茶筅(ちゃせん)が竹で作られていることなどに驚きながら、ロサンゼルス協会員の説明を受けて自ら茶筅をふり、一碗の薄茶(うすちゃ)を堪能していました。
学期末を控え、学生たちは、各自のプロジェクト制作に忙しい中、ロサンゼルス協会員は、学生たちから、ひととき、心落ち着く時を得て、大変有意義だった、と御礼の言葉を頂きました。中には今後の裏千家行事に参加したいと興味を示す学生もいました。
最後にマクマホン氏から予想以上の成果だったと賞賛の言葉をいただき、ロサンゼルス協会員も、こうした機会が与えられたことに感謝しました。
裏千家淡交会ロサンゼルス協会のホームページ www.urasenkela.org
(注1)道具が荘られる=「どうぐがかざられる」と読みます。「かざる」というと、普通は「飾る」と書きますが、茶道具の場合は「荘る」という字を使います。「飾る」はデコレーションをする、という意味ですが、「荘る」は使用目的があるものを一時的にある場所におく、という意味があります。茶道具はただの装飾品ではなく、実際にお茶を点てる道具として使われるものなので、「道具を荘る」になります。
(注2)春秋棚=「しゅんじゅうだな」と読みます。春秋棚は鵬雲斎大宗匠のお好みの棚で、立礼という、椅子に腰をかけて行う点前で使用致します。