By 半田俊夫* (2017年7月執筆)
小東京のブドーカン建設に僕ら日本語族、在留日本人も僕らなりの具体的な支援をしてこの意義ある歴史に参加しませんか。
小東京にスポーツや多様な市民イベントを収容し開催できる初の多目的施設を持とうとするこのプロジェクトが関係者の数年来の努力で、最近「テラサキ・ブドーカン」の名前も決まり、いよいよ8月3日の起工式に向かって進んでいる。
(東京都千代田区の有名な日本武道館に倣った名前なのでここでは読み易く武道館と表記する)
小東京サービスセンター (LTSC) が事業主体者としてゼロから計画立案、環境分析、設計、資金集めと進めてきたこの一大企画。総計約24百万ドル強と報じられる建設資金の目標の内、最近テラサキ家の基金から 3 . 5 百万ドルの大口寄付を受領し達成率90%にまで漕ぎ着けたと言う。残りの資金獲得もあと一歩と言っても2百万ドル規模もあり容易なことではない筈だが、9月には着工に持ち込もうとの目標で進んでいる。
ここまで7年以上に亘りこの事業を推進して来たLTSCを中心とする日系人たち、つまり日系米国人の努力、そして広範な日系人たちによる資金寄付の支援と成果は立派だと思う。だが内部事情が分かるに連れ、地域社会の在留日本人や日本語族からの関心と支援が十分に見られない模様なのは残念だ。
小東京のみならず日系社会の将来世代に亘り大きな発展と求心力をもたらすこの武道館建設に、日本語族からの顕著な貢献参加が見られないこのままに完成して歴史となってしまったら日本人としてそれで良いのだろうかと思う。
武道館は完成後は小東京で初の多目的イベント施設として諸スポーツ、武道、文化イベントなど老若男女市民の多様な活動のホームコートの如き場所となる。
具体的には体育館での青少年バスケットボールやバレーボールの試合、色々な室内スポーツ活動、柔道、剣道、空手、合気道など各種武道のトーナメントなどに使える。屋上には庭園に加えてパフォーマンス・スペースが作られ、500人規模のパーティー、800人規模のコンサートも可能だ。建物内に複数のコミュニティーの集会ルーム、レストラン用キチン、屋外テラスの子供の遊び場、など多様な用途に利用できる。
武道館の場所は2nd. Streetと3rd. Street の間のロサンゼルス通りの西側で、L.A.市立図書館のすぐ南側に4万平方フィートの土地の使用権を6年前にL.A.市から得た。建物には地下2階の駐車場が作られるが、メトロ地下鉄の小東京駅を含め3つの駅からも歩ける位置になる。完成後は日系人、日本人が年間を通じてイベント会場、集会場として集まり、楽しみ交流して絆を深め、それを通じて日系社会が精神文化や伝統を未来世代に繋いでいく求心力の高い場所になって行くと思う。
LTSC は建設の資金獲得の中で多くの日系人や団体からの寄付を集め、また諸々の基金から助成金、更には政府系の交付金などを獲得して来た。その資金獲得の努力と苦労の積み重ねは規模からして大変だったに違いない。資金集めの9割達成は立派な成果だが、あと1割と言っても2百万ドルもあり大きな額でまだまだ大変だ。
僕はLTSCの人間ではないが手伝いたいと思い寄付をお願いする返信封筒を同センターで貰い日本語族の色々な集まりで説明して配り金額の大小に拘らない協力をお願いしている。しかし正直のところ中々強い手応えがが得られない。
しかし今からでも全く遅くはない。いよいよ肝心の最後の詰めの段階になった。
僕も自分なりの寄付を届けた。ここに武道館の応援を改めて表明し、金額の大小は問題ではないので日本語族の人々の献金の支援とこの歴史への参加を大いに呼びかけたい。
武道館関係のサイト: www.budokanoflosangeles.com
連絡先:Mike Murase 213-473-1682 mmurase@ltsc.org
*半田俊夫=東京出身。パサデナ市在住。在米約40年。元航空業界商社経営。以下の諸ボランティア活動を行う:羅府新報の随筆「磁針」欄に毎月執筆。日刊サン・ポエムタウン欄の川柳選者。パサデナ・セミナー会主宰。命の電話友の会、茶道裏千家淡交会OC協会などで会長としてボランティア活動。他に南加日系商工会議所、南加県人会協議会、日米文化会館、小東京評議会、米国書道研究会などの理事でボランティア活動中。南加日商と日系パイオニアセンターの元会頭。