2026年6月14日、サンペドロで行われたミカエラカイ・フラメンコの定期リサイタルの出演者たち

6月の定期リサイタルの収益寄付で、ミカエラカイ・フラメンコの10年にわたる熊本への復興支援の累計は約2万ドルに

2026年6月24日に掲載

ガーデナのミカエラカイ・フラメンコは6月14日、日曜日に、サンペドロのグランド・アネックス・シアターで17周年リサイタルを開催した。会場は観客、キャスト・スタッフを含め約150名が集い、満員御礼で終了した。

今回のテーマは「ルーツは家族」。オープニングはジプシーのファミリー・リユニオンのパーティー場面で、時間が止まったように見える家族が集まったシーンが動き出す。特別ゲストのヨランダの華麗なフットワークで時が動き出し、ダンスでパーティー・シーンを表現した。

フィナーレは、カナステラというジプシーの典型的な籠を持った花売りのシーン。クライマックスは家族が輪になって心をひとつにして、家族写真のようなファイナル・ポーズで決めた。

17周年リサイタルは、10代から80代のダンサー7人が日頃の練習の成果を発揮するとともに、25歳の若手ギタリスト安藤クレーと、ジャズ・ピアニストの布川ひろし、パーカッションのロン・ワグナー、ゲスト・ダンサーのマリベルとカルラ、そして特別ゲストにバルセロナ出身のスペイン人アーティスト・パコ&ヨランダ・アローヨ夫妻による舞台だった。

パコの超絶技巧のギター演奏とヨランダの息を飲む素晴らしい足さばきと、魂に語りかけるようなソロは観客を魅了し、いつもながらのスタンディング・オベーション。ヨランダの卓越したカスタネット・ソロに加え、ミカエラとマリベルによる3人のカスタネット・アンサンブルはモロッコ風の衣装で登場、フラメンコのルーツを感じさせるインド・アラブ的な音楽に合わせて踊った。

チック・コリア作曲の楽曲『 スペイン  』が、ジャズ・ピアニストの布川ひろしとパーカッショニストのロン・ワグナーにより演奏され、息の合った素晴らしい即興演奏で 、観客も手拍子を打ちながら会場に歓喜の一体感を作った。

初舞台のダンサーは群舞をひたむきに踊り、出演経験のあるダンサーはソロやセミ・ソロを精一杯踊り、それぞれにこれまで準備に打ち込んできた練習の成果を披露する良い機会となった。

後半では、坂本龍一のバイオリン・バージョン「戦場のメリー・クリスマス」をフラメンコで踊った。白衣装のダンサー3人がステージに立ち、魂をあらわす蝶の紙吹雪を息をかけて解き放ち、ベトナム戦争従軍経験者でもある沖田義邦が映画のように『 メリー・クリスマス・ミスター・ローレンス 』と言って去る。ミカエラカイは白い蝶のように、純白の裾の長いバタデコーラで登場、白のファンベールと純白の大きなショールを舞い上がらせた。ミカエラは、演出、振り付けにあたって、戦争に傾く複雑な世の中で、しばし清らかな空気が流れるよう願いを込めた。

ミカエラカイ・フラメンコは2009年に教室を開き多くのダンサーを育ててきた。今回、初舞台のダンサーは3人だった。それぞれが、舞台経験を楽しみ、美しいフラメンコ・アートに触れ、さらに興味が増し、やりがいと楽さを感じた。経験豊富なダンサーは毎年、ソロを踊るたびに喜びと楽さを取り戻し、高齢ダンサーは実年齢を感じさせない優雅さで、数曲をこなし、体力的に踊り切れたと自信を持った。ミカエラは「フラメンコは歩んだ人生が踊りに反映される」という。また、フラメンコは、世代を超えて同じ目的に向けて、心を一つに進んでいくことから、仲間意識も自然に生まれる。

ミカエラカイ・フラメンコ主催者のミカエラカイの本名は安藤みちよで、熊本市出身。南加熊本県人会の副会長を務め、2016年の熊本地震からは、フラメンコ・リサイタルの収益の一部を復興支援に寄付し続けている。 2023年からは建築家の安藤忠雄氏が被災地に寄贈した「子供の本の森・くまもと」への支援を始めた。今回のリサイタルからは1,500ドルが「本の森」に贈られた。「本の森」への寄付は累計6000ドルとなり、熊本県立図書館より「 いただきました寄附金は、こどもたちの読書環境の充実のため、大切に使わせていただきます。」のお礼のメッセージを受け取っている。

過去10年のフラメンコ活動を通した支援は累計1万9000ドルを超えている。ミカエラは「私のミッションはフラメンコの魅力をコミュニティに伝えながら、フラメンコとご縁のあった人たちに踊る喜びと人生の楽しみの輪を拡げていくこと」と語っている。

Mikaela Kai Flamenco Website: https://mikaelakaiflamenco.blogspot.com/

南加熊本県人会 Website   : https://nankakumamotokenjinkaiusa.blogspot.com/