板橋恵理のカリフォルニア人間観察:今だからこそ言えることかも知れないコロナ禍から学ぶこと

2021年4月7日、ロサンゼルスにて、板橋恵理

コロナ禍が発生してから一年ちょっと経った。  ワクチン接種を受けることの出来る年齢層が広まった中、  人々は早く元の生活に戻れる希望を抱いているだろう。コロナが世界中に、  経済、  社会、  及び人々の心身共の健康に大きな影響を及ぼしたのは言うまでもなく、  今後は立ち直るだけではなく、  何を学びとったのかを理解し、  将来に備えての対策案を考慮しなくてはならないのではないだろうか。

去年の三月に何が何だかよく把握出来ない間に、  マスク着用、  外出禁止、自斎と次々に規定され、  あれよあれよというまに周りが自宅に引きこもっていった。  最初コロナは単に性質の悪い流感だと言い張っていた者も、  出勤して間もなくそそくさと帰り支度をし、  次々に職場から消えていき、  気が付いたら自分と数人のみが残されていた。  コロナと言う見えない敵が突進してくるような錯覚を起こし、  何とも不安な気持ちになったのを今でも鮮明に覚えている。

医者やクリニックも閉鎖となり、  健診なども全てキャンセルされ、  コロナ以外の病気や症状を抱えたまま、 或いは診断されぬまま過ごさざる得なかった患者も多くいたそうだ。

学校の授業は自宅からオンライン制となり、  授業についていけなかったり、  クラスメートや友人達との社会交流もなしで、  特に小学生からハイスクールにかけての生徒達は精神的にダメージを受けた。  中には自殺をしたり、 未遂に終わった子達もいる。

店からは、 それまでは需要もなかっただろうと思われるマスクやハンドサニタイザーが棚から消え、  食料品よりも何故かトイレットペーパーが売り切れとなった。  マスク反対者と着用している者との間で騒動があったり、  客同士の品の取り合いもあった。

レストランや、  美容院、  ジムなども閉鎖され、  大きな痛手を被った。  しかしロスのある場所では、閉鎖されているレストランの目の先で映画のロケをやっており、 レストランの店主がそのあまりにもの不公平さをテレビに向かって訴えていた。

当初は、  「エッセンシャルビジネス(Essential business)」 やら、  「エッセンシャルウォーカー(Essential worker)」等の名詞も出回り、外出禁止環境下におき、医療機関、食料品、運送関係等以外の部署で働いている人達の反感も買った。私の職場はこのエッセンシャルビジネスに属してはいたが、何回聞いても変な呼称と思った。事業は何であれ、真面目に働き社会に貢献する者は皆エッセンシャルなのではないか。

特別な持病や症状がない限り、子供達や若者の感染リスクは極めて低いと何度も聞いたり読んだりした。ならマスク着用で登校を続けても良かったのではないだろうか。医者やクリニック、レストランなども閉鎖せず、マスク着用と衛生環境の規定化におき、患者を診たり客を入れることが出来たのではないだろうか。事業も従業員の在宅勤務とせずに、マスク着用と距離を開け、交代で出勤するなり実地することが出来たのでは。

今だからこそ言える、 そして私の素人考えかもしれぬが、政府は免疫学者やCDC(Center of Disease Control)のみからの情報や警告のみを頼りに政策を立てるのではなく、 その他色々な分野の医者、精神医学者、社会学者、経済学者、教育者などから成っている政府委員会を成立していれば良かったのではと思う。様々な角度からコロナ禍を検討し、対策に至っていれば、経済的、社会的、心身的な損害も多少抑えられ、人々の生活ももっと早く開くことが出来たのではないだろうか。コロナ以前の伝染病は1918年の百年前にも発生しており、今後も何が起きるか分からない世の中、過去から学ぶことが大事なのだ。

板橋恵理=関東地域で生まれる。家族の転勤と学校のため、幼年期から現在にいたるまで、日本ーヨーロッパー日本ーアメリカで生活する。現在は、アメリカ人の夫と老猫とロサンゼルスに在住している。趣味のひとつである太鼓にはまり、5年がたつ。老猫の名前もタイコ。

板橋恵理のカリフォルニア人間観察(エッセイ一覧)

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