2026年6月18日、デトロイト児童博物館での親善人形の贈呈式:(左から)デトロイト日本商工会・顧問の大光敬史さん、木版画作家の山崎信子さん、4体の日米親善人形。(写真提供:大光敬史さん)

デトロイトの日米親善人形コレクションに5体目の「市子」人形が寄贈される

2026年6月22日掲載

デトロイトには「秋田蕗子ファミリー」と呼ばれる100年の歴史を持つ「日米親善人形コレクション」がある。このコレクションに5体目の「市松人形・市子(いちこ)」が地元の日本企業団体とミシガン在住の日本人作家によって寄贈され、6月18日にデトロイト児童博物館で贈呈式が行われた。

1927年にアメリカから12,739体の人形が日本に贈られ、その返礼に58体の市松人形が同年クリスマスに合わせて、アメリカに贈られた。この人形は、答礼人形あるいは親善人形と呼ばれた。デトロイト児童博物館は、1927年に米国に渡った親善人形のひとつ「ミス秋田」こと「秋田蕗子」を収蔵し、その後「秋田杉男」「Sally」が加わった。またデトロイト美術館には「友輝」が収蔵されている。

今回、デトロイトの「秋田蕗子ファミリー」に加わった「市子」は2017年からデトロイト日本商工会が所有していたもので、ミシガン在住の木版画作家・山崎信子さんが協力した。

「市子」は12号サイズ(身長42センチ)の愛らしい作品。デトロイト児童博物館の上級キューレーターのドン・ボガートさん(Don Bogart)からは「いちごちゃん」という愛称が贈られた。

デトロイト児童博物館に収蔵されている「秋田蕗子」は当時の有名な人形職人・滝沢光龍斎が作った。滝沢光龍斎の伝統を受け継ぐ東京の市松人形作家・藤村光環氏は、2017年にデトロイト美術館が日本ギャラリーをオープンした時に市松人形を数体制作した。今回の市子はその一体で、デトロイト日本商工会が保有していた。

また藤村光環氏の大型の市松人形は2018年にデトロイト美術館を三笠宮彬子女王様が訪問された折に、デトロイト美術館に収蔵され「友輝」と名付けられている。これで藤村氏の二体の人形がデトロイトの美術館で収蔵されることになった。

デトロイト児童博物館が所蔵するアメリカ人形「Sally」は、1927年にアメリカから日本に贈られる予定だったが、発送に間に合わず、アメリカに残った人形だ。そして2019年には、1927年当時、滝沢光龍斎によって制作された男子の市松人形が日本から寄贈され「秋田蕗子」の弟「秋田杉男」と命名された。

デトロイト日本商工会の顧問で、ミシガン在住が長い大光敬史(おおみつ・たかし)さんは「これにより、デトロイトの秋田蕗子ファミリーは、さらに賑やかになりました。市子が秋田蕗子とともに、これからも末永く日米友好の象徴として、多くの人々に親しまれ、両国の友情を見守り続けてくれることを願っています。」と語っている。

秋田蕗子ファミリーの戸籍

  • 秋田蕗子:1927年に滝沢光龍斎によって制作される。1927年にアメリカに渡り、デトロイト児童博物館に収蔵される。
  • 秋田杉男:1927年に滝沢光龍斎によって制作される。2019年に日本からデトロイト児童博物館に寄贈される。
  • Sally: 1927年に日本に贈られる人形に選ばれたが、発送に間に合わず、アメリカに残った。
  • 友輝:2017年に藤村光環によって制作される。2018年にデトロイト美術館に収蔵される。
  • 市子:2017年に藤村光環によって制作される。2017年からデトロイト日本商工会が所有。2026年にデトロイト児童博物館に寄贈される。

デトロイト児童博物館の日米親善人形:(左から)秋田杉男、秋田蕗子(うしろ)、市子(てまえ)、Sally (写真提供:大光敬史さん)

デトロイト美術館での展示:秋田杉男(左)と友輝(写真提供:大光敬史さん)