「わいわいガヤガヤ楽しく愉快に」のキャッチフレーズで知られる創立58年目の関西クラブ(廣川真一会長)は2025年2月15日、トーレンスの都ハイブリッドホテルで年次会員総会・新年親睦会を開催した。
関西クラブは「なにわ会」を前身に1967年の創立以来、大阪、兵庫、京都、奈良出身者を中心に仕事や学校、友人関係を通じて関西にゆかりのある人、関心のある人も含め、北は北海道、南は九州・沖縄の出身者まで幅広い会員が参加している。
特に新年会はさらに外部の方でも参加でき、明るく賑やかで面白いという定評があり、今回も会場定員ぎりぎりの79名。うち29名が関西クラブの新規会員もしくは新年会への初参加となった。 午前中の総会には、新旧会員20数名が参加し、会計報告、活動報告および本年度の二つの新しいプログラムの説明および新理事の紹介が行われ、会員の承認を得た。




昨年2月に新理事会のもと会長となった新潟県出身の廣川真一さんは、2年目を迎え、初年度を振り返った。「去年は4年ぶりの活動再開の反動もありとても勢いがある年で、カラオケ(4回)やセミナー(4回)もあり、何より盆踊り(『ちーむ河内音頭』というバンドとダンスチーム)では、初めての二世週出演の快挙もあった。河内音頭はあまり日系人には知られていなかったので、いろいろな盆踊り団体にも踊り方を教えに行ったり、アウトプットするための練習を含むとなんと50回を超える活動が実施され、本当に忙しくなった。しかし今年は、学生研修プログラム再開ということもあり、むしろじっくりと地に足をつけてバランスよく活動したい。いろいろなイベントでどなたでも楽しく参加しやすい会にしていきたい」と語った。
20名あまりの会員が参加した総会の中では、会計報告、セミナー、野球観戦やカラオケなどの親睦活動の報告、州外でも演奏活動を続ける『ちーむ河内音頭』の活躍とくにローカルの国際団体100周年式典への出演依頼、州外の公演、地元シニアや子供たちへの貢献についてもまとめが報告され、その後二つの新企画の説明に時間が割かれた。
JEFLA主催の学生研修プログラムに関して、新プログラム担当となる佐藤涼介・追加理事とマス純葉JEFLA代表からの説明があった。この研修プログラムの中では、在米の関西クラブ会員の子女を選抜しアメリカから日本に送り込む形式となるため、訪問先の選定など、会員や関係団体の協力が必要となる。関西クラブでは若尾龍彦会長時代から住山弘学生研修委員長の元、学生研修プログラムが実施されてきた。18年間もの間約40名の大学生をロサンゼルス側に招聘してきたが、コロナ禍で日本からの渡航がなくなったため休止を余儀なくされていた。この度プログラム再開にあたり、そもそもは在米関西クラブの子女への教育充実が本来の目的であったことを見直し、次の世代が学ぶ場を提供していくことにフォーカスすることになった。円安であることも追い風となり日本へ送り出す形のJEFLAのプログラムに参加する形となる。また今年はちょうど大阪・関西万博と重なるため、万博への何らかの参加型訪問も企画されている。

二つ目の新プログラムである4月13日の関西クラブが主催することになった歌謡祭についても説明があった。西本願寺では過去に紅白歌合戦のような大きな歌謡祭が活発に行われていたが、コロナ禍の休止と関係者の高齢化が進んできていた。関西クラブがKeiroからの助成金を得るにいたった経緯、リトル東京の西本願寺にて開催する意図や本イベントの内容説明をした。このプログラムでは80歳以上の参加者を無料で招待し、サウスベイからの大型バスにも助成金をあてる。家に引きこもりがちな高齢者に、外に出かけて友人に会い懐かしい日本の音楽を楽しむ機会を作る企画でもあるため、多くの協力者やスポンサーに参加していただきたい。司会は往年のタック西さんを迎え、昭和100周年を記念し、昭和のなつかしの名曲を多くのローカル歌手、カラオケ団体を巻き込んで皆で楽しめるイベントとなるよう準備している。元SKDスターのよなみのりこさん、廣川真一会長、藤本章前会長らが所属する日本歌手協会のサポートも期待したい。

新年親睦会には、数多くの来賓に加え、なでしこ会から黒田美加会長、一坊和流煎茶道より小林政坊導主、他県の県人会から沖縄、熊本、鹿児島、徳島、石川、岐阜、栃木、福島、山形、宮城の県人会からの代表が勢ぞろいした。例年関西クラブの新年会はにぎやかで盛りだくさんな出し物で有名であるが、今年は少し違っていたようだ。野球観戦のファンドレイジング担当でもあり副会長の大町紀貴さんが初めての司会をつとめる中、関西淡路阪神大震災から30年の月日を刻んだメモリアルということで、まずは一分もの長い黙とうで会はいつもより厳かに静かに幕を開けた。

森山知亜美さんによる書道パフォーマンスが演じられ、干支である「巳」という字が大きく描かれた。特に今年は「きのとみ」で、困難があっても乗り越え、平坦や直進でなくとも蛇行してもとにかく前進する、また古い殻を脱ぎ捨て、どんどん脱皮して大きく美しく成長変化を遂げるという意味がある。アーティストの森山知亜美さん自身は関西出身ではないが、関西クラブの『ちーむ河内音頭』とはアリゾナ州フェニックスのTaste of Japanでも二年連続で親しく共演していて、この新年会をきっかけに関西クラブ入会となった。この作品は、宮城県人会、リトル東京を回ったあと、ボランティアの清水谷耀一君の通う南カリフォルニア大学のJapan Libraryに寄贈されることになったいう。
南加日商会頭の竹花氏による乾杯のあと、さらにエンターテインメントは続き、関西クラブ会員で日舞髙月流師範の田坂和美さん/髙月華和さんの祝儀舞「豊の春」は新年らしく華やかで美しく、参加者の目を楽しませた。

今年の関西クラブ新年会のエンターテイメントのメインは、歌手太田まあやさんの弾き語り。まあやさんは東京出身だが数年前より関西クラブ会員で、『ちーむ河内音頭』では東京音頭やアップテンポの英語曲を歌う。まあやさんは実は日本のタンゴ歌手第一人者香坂優さんの一人娘で、日米のレコード会社とも契約を交わしていて、ロサンゼルスではプロのシンガーソングライターの傍ら近年は心理セラピストとしても活躍している。この新年会では自身オリジナル曲2曲に加え、「大阪で生まれた女」で場内を沸かせ、パーキンソン病患者でもある日本のシンガーソングライター樋口了一氏の「手紙~親愛なるこどもたちへ(日本語版)」では観客が感動して涙した。さらに、廣川会長との炭坑節からまあやさんお得意のブルーノマーズのUptown Funkでは、ちーむ河内音頭の先導で曽根総領事をはじめとしたゲストも立ち上がって輪になり、テーブルの間を縫うように踊ってエンターテイメント前半が終了した。

後半のじゃんけんゲームでは、各テーブルの代表者9名から勝ち残った一坊和流煎茶道の小林導主が曽根総領事と一対一の勝負となり、見事勝利をおさめた。「いつもはじゃんけんには弱いのに」と喜んでおられたが、賞金の使い道はと聞かれ、「アメリカで煎茶をさらに広めるために有意義に使いたい」と興奮気味に語った。盛り上がりを見せたジェスチャーゲームのあとは、浪花恋しぐれ、恒例の大阪ラプソディの替え歌「関西ラプソディ2025バージョン」が会員数名によって歌われ、和装の参加者によって踊られた。最後は関西クラブらしく、各県人会会長と演者たちが舞台に上がり、元気よく上方締めで幕を閉じた。(注:上方締めとは別名大阪締めと言われる手拍子のこと。今宮戎や天神祭りで福娘と噺家などが先導となる。よいよい!という掛け声の縁起が良い手拍子で、一本締めより長く、三本締めより短いが、独特の華やかさ明るさで日本でも近年好まれているという)
関西クラブは、2年後に来る大きな節目の60周年を意識し、新会員を迎え、新理事を加え、新しいプロジェクトにも挑戦する。わいわいガヤガヤ楽しく愉快に、をモットーに会員が楽しめることから日系社会に貢献しつづけたい。
(写真は沖縄県人会元会長の当銘貞夫、東やすひろ、堀井のりこ、花野あけみ他会員の協力による)
