
LA関西クラブの2026年新年会の集合記念写真
「おおきに!」の声が響く一日
2026年度 総会・新年会・前会長を偲ぶ会 取材レポート
南カリフォルニアに根ざす関西ゆかりのコミュニティ「関西クラブ」が開催した2026年度総会・新年会・前会長を偲ぶ会。会場に足を踏み入れた瞬間、まず目に飛び込んできたのはいつもの色とりどりの着物姿と、あふれる笑顔だった。
賑やかでありながら、どこか温もりに包まれた誰でも入っていける空間。その中心には、昨年12月24日に逝去された前会長、廣川真一博士への深い敬意と感謝があった。
穏やかに進んだ総会、新体制が始動
午前11時からの総会では、新理事会メンバーの紹介、会計報告、年間活動報告が行われた。春の歌謡祭や学生研修プログラムなど、地域と日本をつなぐ活動の歩みが丁寧に共有され、承認事項も滞りなく可決。終始和やかな雰囲気のなか、新体制の船出が印象づけられた。
「家族みたいな場所」― 新会長の原点
今年2月に就任した新会長・丸山史緒さんは、大阪・八尾出身。関西の民謡「河内音頭」をこよなく愛する人物だ。
「2009年、引っ越してきたばかりで知り合いもいなかった頃、偶然参加したBBQで“なんか家族みたいやん”と思ったんです」
そう語る丸山会長は、以来学生研修プログラムを核とした各部門のボランティアとして積極的に活動を続け、故廣川氏とともに「ちーむ河内音頭」の活動で日系アメリカ人の各団体とも心温まる交流を続けてきた。
クラブのモットーは「わいわいガヤガヤ楽しく愉快に」。楽しさを“つくる”のではなく、“面白がる”文化が根付いているという。
来年、関西クラブは60周年(還暦)を迎える。
2026年のテーマは「おおきに!」。
「今できることを、みんなでやる。それが関西クラブらしさです」
その言葉には、しなやかな決意がにじんでいた。
5年ぶりに復活した学生研修
式典では、5年ぶりに再開した学生研修プログラムの報告も、参加した高校生2名を壇上に迎えて行われた。阪神・淡路大震災以降、18回実施されてきた歴史ある取り組みの継続。
佐藤涼介研修委員と故廣川会長はともに大学で教鞭を取り、若者への体験の大切さを訴える。本プログラムはコロナ禍で中断していたが、「どうすればできるか」を考え抜いた結果、昨年よりJEFLAのプログラムに高校生2名を派遣。費用は当初予定の倍以上となったが、寄付と協力により実現した。
単なる行事ではなく、“想い”が継承されていることが伝わる場面だった。
音楽と踊りがつないだ記憶
午後の新年会では、追悼の黙とうに続き、多彩なパフォーマンスが披露された。
チューリップインハーモニーの若手弦楽四重奏グループによる「なごり雪」「川の流れのように」、そして廣川前会長の十八番「星降る街角」。日本舞踊「男の舞扇」(原曲:三橋美智也)では、扇を開く所作ひとつに人生の覚悟が重なった。さらに「千の風になって」のコーラス、デュオによる「Hallelujah」、そしてちーむ河内音頭による盆踊りへと続く。
最後は恒例の「大阪締め」。壇上には女性パフォーマーと女性理事がずらり華やかに並び、会場は拍手と笑顔に包まれた。
悲しみを抱えながらも、前を向き、一歩踏み出す。その姿勢が、音楽と踊りを通して自然に伝わってきた。
手ぬぐいに込めた未来への種
今年は新たな試みとして、オリジナル手ぬぐいの制作・販売も実施。大阪・京都・奈良・兵庫のキャラクターに加え、廣川前会長をモチーフにしたウサギのイラスト(Akanechibiart)も描かれている。売上は今後の活動支援へ。
「やっぱり来てよかった」と思える場所
新潟の日本酒テイスティングやサイレントオークションなど、新理事たちの創意工夫が随所に見られた。来年迎える60周年に向け、関西クラブは静かに、しかし確実に歩みを進めている。
会場を後にするとき、明るく耳に残ったのはあの一言だった。「おおきに!」