2025年6月15日のロサンゼルス・リトル東京の店舗(Cultural News Photo)

カルチュラル・ニュース編集長、しげひがし(東 繁春)
2025年6月27日発信

トランプ大統領が6月25日、オランダで開かれたNATO会議で、イラン核施設へのバンカー・バスター弾攻撃を広島・長崎への原爆投下になぞらえる発言をしたことが、日本で大きく伝えられ、抗議の大きな声が起こっている。

わたしは、まったく違った文脈でこのトランプ発言を解釈した。バンカー・バスター弾の存在は、これまでに公にされていたが米軍は使ったことがなかった。米国は、交戦状態にないイランの領土を空爆するという国際法違反行為を実行した。

この決定を下したトランプ大統領は自分の立場を、1945年に原爆投下の命令を出したトルーマン大統領になぞらえた、とわたしは解釈した。

ハーバード大学への連邦補助金の支給停止や、留学生資格の取り消しは、ひとつの大学に対する処分ではなく、アメリカの全大学システムを原爆並みに破壊するものだ。

6月から始まったロサンゼルスでの移民局の強硬な摘発は、移民だけでなく、ロサンゼルスの一般市民の生活を原爆並みの威力で破壊している。

アメリカの公立学校は6月第2週から夏休みに入っているので、これは予測だが、新学期からは大量の欠席者がでるだろう。すでに、病院やクリニックでは予約に現れない患者が多くなっている。

ロサンゼルス・リトル東京では、西本願寺ロサンゼルス別院が6月25日、例年7月半ばに、土・日曜日の2日間にわたって行われるお盆イベントを、日曜日だけの開催にすることを発表した。しかしも、例年は野外にブースを開く、食べ物販売を屋内に限定すること、太鼓などの野外ステージも屋内ステージに移し、極力、外部との接触が起こらないような対策を取る。

わたしは、ロサンゼルスに住んで40年以上になるが、ロサンゼルスの市民生活がこれほど不安な状態になったことを経験したことがない。ドジャース球団の大谷選手の活躍が毎日、詳細に日本に伝えられ、日本人観光客がロサンゼルスに増えている一方で、日本のメディアは、このロサンゼルスの社会不安を十分に伝えていないと思う。

トランプ大統領のやっていることは、めちゃくちゃで何を考えているのか、分からないという評論があるが、わたしは、そうは思わない。トランプ大統領は、明確な意思をもって、アメリカの社会システムを原爆並みに破壊している。あまりにもの破壊力にアメリカの大半の政治家は茫然自失である。