ミカエラカイ・フラメンコの16周年リサイタル

ガーデナでフラメンコ教室を指導するミカエラカイ・フラメンコ(2009年設立)は6月22日日曜日にサンペドロのグランド・アネックス・シアターで第16周年リサイタルを開催した。会場は観客、キャスト、スタッフを含め約150名が集い、満員御礼で終了した。

当日は20代から80代の生徒のダンサー7人が日頃の練習の成果を発揮するとともに、25歳の若手ギタリスト安藤クレーと、ダンスと弾き語りにも挑戦した竹下貴規、パーカッションのロン・ワグナー、ゲストダンサーのコリーナ、マリベル・アハ、力強いダンスを披露したアラ・メルコニアン、そして特別ゲストにバルセロナ出身のスペイン人アーティストパコ&ヨランダ・アローヨ夫妻が出演した。パコの超絶技巧のギター演奏とヨランダの息を飲む素晴らしい足さばきと魂に語りかけるようなダンスは観客を魅了。ヨランダの卓越したカスタネットソロに加え、ミカエラとマリベルによる3人のカスタネットアンサンブルでは、おなじみのカルメンファンタジーと闘牛士の曲トレアドールが演奏され、観客も手拍子を打ちながら会場に歓喜の一体感を誘った。

演目の終盤には日本の楽曲として葉加瀬太郎の情熱大陸がフラメンコの振り付けで演出され、真っ赤なドレスに赤いヴェールとヴェール付きの扇子で情熱感溢れる舞踊を披露し、ルンバのノリの良いリズムに観客も手拍子で参加した。

ミカエラカイ・フラメンコは2009年から教室指導を行っており、今回の参加者の中には日本人以外に3人のスペイン系の生徒も存在した。母親がマドリッド出身のアマリア・リオスとピラール・リオスの姉妹は、6ヶ月間のレッスンを受け、人生で初めてフラメンコ・ショーに参加し、自分のルーツに興味を持つと共に、美しいフラメンコ・アートに触れてさらに興味が増したという。メキシコ系のローラ・ゴンザレスも2年目で群舞のセミソロのパートを踊り、やりがいがあり楽しかったと述べた。今年5回目の参加となった柴田洋子は毎年ソロを踊れるのが楽しみ、また77歳の女性は実年齢を感じさせることなく優雅に5曲も踊り、踊り続けることが元気の素になり、認知症防止と自信につながるという。ミカエラカイと同郷の熊本県人会会長の沖田義邦氏は2017年からダンス指導を受け、今年80歳になり最多出場の1人で、舞台に登場すると拍手喝采となった。ミカエラは、「フラメンコの良いところは年齢性別に関係なく、全てのひとが自由に楽しめ、技術だけではなく歩んだ人生が踊りに反映される面白さが魅力の一つ」という。また、フラメンコを通して、世代を超えて同じ目的に向けて心を一つに進んでいく醍醐味もある。

主催者のミカエラカイ(安藤みちよ・熊本市出身)は南加熊本県人会の副会長を務め、2016年の熊本地震からは、チャリティとして年次リサイタルの収益の一部を復興支援に寄付し、これまで1万7000ドル以上が被災地に送られている。今回は2023年、2024年に引き続き、建築家の安藤忠雄氏が被災地に寄贈したこどもの本の森熊本に1000ドルの寄付が送られた。熊本の図書館からは「いただいた寄付金は子供たちの読書環境の充実のために大切に使わせていただきます」とお礼のメッセージが届いた。

ミカエラは「私のミッションはフラメンコ・アートを通じて踊る喜びと人生の楽しみの輪をコミュニティに拡げて行くこと。」という。現在ガーデナのスタジオで個人レッスンとグループレッスンで指導しており、無料体験も行なっている。

ウェブ: https://mikaelakaiflamenco.blogspot.com/

スタジオ: 16418 S. Western Ave. Unit A, Gardena, CA 90247

連絡先:mikaelakaiflamenco@gmail.com

「情熱大陸」を踊るミカエラカイ

ソロとグループ演奏で参加した25歳の若手ギタリスト(左)

パコ&ヨランダ・アローヨ

カスタネットが観客を魅了

群舞もパッションにあふれていた

群舞もパッションにあふれていた

子供の本の森くまもとに飾られている銘板(3年合計で4500ドルが寄付された)