被災地で考えたこと(1)被災地発の「全国版」新聞が必要

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By カルチュラル・ニュース編集長・東 繁春 (ロサンゼルスから)

6月7日から12日まで、仙台近郊の塩釜、松島、そして三陸沿岸の石巻、女川、雄勝、南三陸町、本吉、気仙沼、陸前高田、大船渡の被災地を、そして、13日と14日は盛岡、福島市、東京を回ってきました。

被災地に行っておどろくことは、三陸沿岸は、歴史・文化のある地域で、石巻、気仙沼、大船渡、釜石など人口の多い被災地では、日刊のりっぱな地域新聞や、毎日放送しているローカルFM局があることです。しかも、その記事や放送番組は、インターネットで読んだり、聞いたりすることができます。

こうした地域メディアは、これまでの避難所生活や進行中の復興の大きな支えになっています。

わたしも、ときどき、大船渡と陸前高田をテリトリーにしている東海新報、気仙沼と南三陸町をテリトリーとしている三陸新報のネット版を読んだり、ラジオ石巻のネット放送を聴いています。しかし、毎日、読んだり、聞くというわけにはいきません。そこで、週刊でいいから、各地のようすを伝える全国版のメディアがあれば、便利と、思っています。

タブロイド版をPDF化すれば、iPad で楽に読めます。カルチュラル・ニュースのPDF版で実験済みですから、これは、お勧めできます。わたしは、あと2年で還暦なのですが、知り合いの新聞記者は、すでに、ぞくぞくと定年退職しています。こうした定年退職した新聞記者が、交代で数ヶ月間、被災地に滞在し、全国版の記事を書くことができないか、と考えています。

全国版の記事と地域新聞の記事は、視点がちがいます。地元のひとが当たり前であると思っていること、見過ごしていることが、全国版のニュースになります。

わたしは、今回の陸前高田の訪問で、生まれて初めて「湯治場」という場所を体験しました。農作業や漁業の合間に、食材と寝具をもって、1週間、2週間、質素な旅館にこもり、温泉につかる習慣が東北にあったのです。東北のひとにとっては、あたりまえの「湯治場」が、瀬戸内海で育ったわたしにとっては、文化発見(カルチャーショック)でした。

この仕事は、西日本や九州・沖縄の新聞記者にお勧めです。日本は、じつは、たいへん広い国土を持つ国です。多様な文化を持つ国です。よそ者の視点で、東北を観察した記事は、外国語へも翻訳しやすい文章になるでしょう。

PDF版であれば、印刷や発送コストはかかりません。そしてこのPDF版は、東海新報や三陸新報といった地域新聞の全国版として有料販売できるのではないかと考えています。読者が減少していく、被災地で、メディアが生き延びていく、モデルケースになります。

あるいは、あたらしいメディアのあり方を作り出せるかもしれません。

ご賛同あるは、ご関心のある方は、至急、東まで、連絡をください。ことは、急を要します。

higashi@culturalnews.com

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2012年6月18日記