自民党の青山繁晴・参議員は、自ら主宰するYouTube 「青山繁晴チャンネル・ぼくらの国会・第212回」(9月11日アップ)で、9月2日に行われた自民党「外交部会・国防部会・安全保障調査会 合同会議」の内容を紹介し、急転したアフガニスタン情勢の中、8月15日までに、アフガン出国を希望する日本人はすべて、避難を終えていたことを明らかにしました。

青山議員は、YouTubeの画面で、合同会議で配布された外務省・防衛省資料「アフガニスタンからの邦人等退避に係る経緯(9月1日まで)」を公開しました。この資料の全文を、このウエッブ・ページに掲載しました。(カルチュラル・ニュース編集長、東 繁春)

青山繁晴チャンネル・ぼくらの国会
【ぼくらの国会・第212回】ニュースの尻尾「アフガン救出 失敗じゃない」
https://youtu.be/9QcMEz1c_Cg

外交部会・国防部会・安全保障調査会 合同会議
令和3年(2021年)9月2日(木)13時
自民党本部 7階 701号室

自民党
佐藤正久 外交部会長
大塚 拓 国防部会長

小野寺五典 安全保障調査会長

政府
國場幸之助 外務大臣政務官
大西宏幸 防衛大臣政務官

アフガニスタンからの邦人等退避に係る経緯(9月1日まで)

2021年9月2日

外務省・防衛省

※時間は日本時間

 

7月

(8日)

バイデン米大統領発表:8月31日までにアフガンから米軍完全撤退。

 

(下旬~)
タリバーンが攻勢を強め、支配地域を拡大。

 

8月

(初旬~)
邦人に対する個別の連絡を継続的に行い、改めて早期退避を呼びかけ(なお、退避勧告は2007年に発出されている。)。 大使館の支援により邦人が出国。

 

(初旬)
邦人・大使館現地職員等の退避および大使館撤収の可能性につき検討を本格化。

 

(12日)
米国情報機関が、タリバーンが90日以内に首都カブールを制圧する可能性があると分析したとの報道。

 

(13日)
在アフガン英国大から我が方在アフガン大に対し、15日までにグリーンゾーン内大使館を閉鎖し、カブール空港内に移転するとの内報。

 

(~14日)
現地に滞在する邦人の自主的な退避の動きが進行。邦人に早期退避を呼びかけつつ、退避の意向等状況を確認。その上で、18日までに民間チャーター機を利用した邦人・現地職員等の退避/大使館撤収との計画をほぼ整える。

 

(14日)
外務省から防衛省に対し、自衛隊機の利用可能性につき内々打診。

 

(15日)
(未明)警備会社から、在アフガン英国大がグリーンゾーン内大使館の閉鎖を早め、まもなく空港へ全面移転する旨の連絡。英大の移転によりグリーンゾーンのゲートの一部は警備がなくなることから、警備会社から直ちにグリーンゾーンから退避するよう勧告を受け、大使館員は、大使館敷地から市内の警備会社建物に移動。

邦人と連絡を継続。

米国すら予想しなかったスピードでカブール陥落。

米国は米大使館を空港内に移転することを発表。

同日の最終便をもって、カブール国際空港の民間機運行停止。

空港内に市民が流入し、空港内は大混乱に。

大使館員は、移動先の警備会社の建物からも邦人と連絡を取り続け、民間機等での邦人の退避を実現し、邦人退避についてできることは全て行う。

 

(夕方)カブールが陥落し、空港が大混乱に陥っていることから外務省から防衛省に対し、自衛隊機の利用可能性にちての検討は、一時ホールドとしてほしい旨連絡。

大使館員は、市内の治安悪化、武装民兵の出現等により、警備会社建物から動けず。

※警備会社から、事態が予想を超えるペースで急激に悪化しており、自分たちも退避するので直ちに退避するよう要請を受け、米軍から、米軍機に搭乗する場合、15日18:00(日本時間22:30)までに空港に集合するよう、それ以降は退避や安全は保証できない旨の通知あり。

 

(16日)

大使館員、警備会社が用意した車両に米軍ヘリのエアカバーによる防護を得て、カブール国際空港に到着。

大使館員、米国との協定に基づき米軍航空機離発着地点移動を試みるも、空港内の大混乱によりたどり着けず。空港内で2泊することに。

 

(17日)

友好国の申し出により、同軍軍用機に乗って大使館員はドバイに退避。

 

(~19日)

民間チャーター機による退避が不可能となったため、政府としては、カブール空港を常時使用している各国の軍用機の活用を含め、退避を実現するための様々な手立てを検討。

 

(20日)

(夕方~夜)外務省と防衛相で、議論をし、自衛隊機による輸送について、両省で緊密に連携して検討を加速することとなった。

 

(22日)
(夜)防衛大臣は、外務省からの輸送の依頼があった場合に速やかに実施できるよう直ちに所要の準備を開始するよう指示。

(夜)官邸への報告を経て、情報収集チーム第1陣(在アフガニスタン大使館員含む)出発。

 

(23日)

(午前)情報収集チーム第1陣(在アフガニスタン大使館員含む)がドーハ着。米国との調整を開始。

(午前)NSC四大臣会合開催、派遣の方針確認。

(午後)外務大臣臨時代理から防衛大臣に対する自衛隊機による邦人等の輸送の依頼を受け、防衛大臣から輸送の実施に関する命令を発出。

(夜)情報収集チーム第2陣(外務省本省職員含む)が出発。

 

(24日)
(未明)C-2輸送機が出発

(午前)情報収集チーム第2陣(外務省本省職員含む)がドーハ着。

(夜)C-130輸送機(2機)が出発
(夜)C-2輸送機近隣国拠点到着

(夜)防衛大臣の命令の一部変更(政府専用機を追加)

(夜)情報収集チーム第1陣(在アフガニスタン大使館員含む)がカブール到着

 

(25日)
(夜)C-130輸送機(2機)近隣国拠点到着。
近隣国側での輸送の準備整う。
(夜~26日未明)C-2輸送機がカブールと隣国拠点との間を1往復

 

(26日)
(明け方)情報収集チーム第2陣(外務省本省職員含む)がカブール着。

(午後・夜)C-130輸送機がカブールと隣接国拠点との間を2往復(うち1往復で、米国からの要請を受け、出国を希望するアフガニスタン人14名を輸送)。

(夕方)C-777特別輸送機(政府専用機)が出発。

現地米軍とタリバンの間で、法人・現地職員等の各種チェックポイント通関に関する合意がまとまる見通し立つ。

情報収集チーム要員を含む外務省の指示により、退避希望の邦人や現地職員等集合、大使館が用意した車両27台への乗せ込みが完了し、現地時間18時(日本時間22時30分)頃までに、カブール国際空港に向けて出発する準備が整う。

準備が整った直後、カブール国際空港付近において大規模な爆発テロが発生との情報。オペレーションは一時中断を余儀なくされる。

 

(27日)

(明け方)B-777特別輸送機(政府専用機)隣接国拠点到着。

米軍から、空港ゲートは開けるが、タリバーン・チェックポイントは通過できないかもしれない、との通告あり。

日本からの要請を受けて、カタールより、非アフガン人のみであればチェックポイントを通過させる旨タリバーンが同意したとの連絡あり。

同国の支援により、希望する邦人1名が空港まで移動。

(夜)C-130輸送機がカブールと隣接国拠点との間を2往復(うち1往復で出国を希望する邦人1名を輸送、他の1往復で、空港内で活動していた防衛省、外務省等の要員を一時隣接国拠点へ移動)。

 

(28日)

(明け方)B-777特別輸送機(政府専用機)が隣接国拠点を出発。

(夕方)B-777特別輸送機(政府専用機)が本邦帰国。

 

(31日)
米軍がアフガニスタンからの撤退完了を発表

(夕方)外務大臣から防衛大臣に対する自衛隊機による邦人等の輸送の終結の依頼を受け、防衛大臣から輸送の終結に関する命令を発出。

 

9月

(1日)

在アフガニスタン日本国大使館の臨時事務所がカタール・ドーハに移転。