
Qiu Ying, "The Jiucheng Palace" (detail), Ming dynasty, c. 1525–33, Osaka City Museum of Fine Arts, Abe Collection, photo © Osaka City Museum of Fine Arts
中国・明時代の4大画家のひとり、Qiu Ying (仇英=チョー・イン)の作品45点を集め、北米では初めての規模となる展示会がロサンゼルス・カウンティー美術館 (Los Angeles County Museum of Art)で、2月9日から始まっている。展示は5月17日まで。
仇英は、1494年ころの生まれで、1552年ころに没と言われていて、中国・蘇州で活動していた。多作で、偽物も多く作られていて、本人の経歴や詳しい記録は残されていない。
ロサンゼルス・カウンティー美術館の今回の企画展は Where the Truth Lies: The Art of Qiu Ying のタイトルが付けられている。仇英の人物像は、文字が読めなかったとか、最初は陶芸家だったなどでたらめな記録が多くあるため、このタイトルは「真実の仇英」という意味を持たせている。
仇英の作風は、後世の中国人画家の多くがマネをしており、仇英の影響を受けた作品が江戸時代に中国人貿易商によって、多く日本に流入していて、日本画にも影響を与えている。
今回ロサンゼルスで展示の仇英の作品45点のうち、3点が日本から来ている。この3点は、作品が日本に入って以来、初めて日本国外に持ち出された。
日本から来ている作品:
The Jiucheng Palace 九成宮図巻(巻物)大阪市立美術館所蔵「安部コレクション」から
Listening to the Qin 聴琴図 (掛け軸)京都国立博物館所蔵
Blue-and-Green Landscape 青緑山水図巻(巻物)東京の永青文庫所蔵(細川家の美術品コレクション)
Where the Truth Lies: The Art of Qiu Yingは、仇英の影響を受けた後世の中国人画家の作品を含む、全65作品で構成されている。ロサンゼルス・カウンティ美術館の開館時間、入場料などは http://www.lacma.org をご覧ください。
なお、仇英展の英文記事は、カルチュラルニュース2月号8ページに掲載してあります。カルチュラルニュースの年間購読料は36ドルです。購読申し込みは https://www.culturalnews.com/subscription から。