NHKニュース:米が日本を最も厳しい「渡航中止の勧告」に引き上げ、 感染状況で

日本時間5月25日 11時46分掲載(ロサンゼルス時間5月24日午後7時46分)

アメリカ国務省は日本に関する渡航情報を4段階で最も厳しい「渡航中止の勧告」に引き上げました。新型コロナウイルスの新規感染者数などをもとに、アメリカCDC=疾病対策センターが日本の感染状況を最も厳しいレベルと判断したことを反映した結果だとしています。

アメリカ国務省は24日、国民向けに出している各国への渡航の安全度を示した情報を更新し、日本に関してこれまでより1段階引き上げ4段階で最も厳しい「渡航中止の勧告」としたと公表しました。

その理由について国務省は、CDCが24日に日本に関する情報を更新し新型コロナウイルスの感染状況を4段階で最も厳しい「非常に高い」と判断したことを反映した結果だとしています。

CDCは、WHO=世界保健機関に報告された新型コロナウイルスの感染者数の情報などをもとに各国の感染状況を判断していて、過去28日間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり100人を超えた場合などに最も厳しい「非常に高い」にすると定めています。

CDCは日本について「ワクチンの接種が完了した旅行者であっても変異したウイルスに感染したり、拡散させたりする可能性がある」と指摘したうえで「すべての旅行を避けるべきだ」としています。

アメリカ国務省は世界的な新型コロナウイルスの感染拡大を受けて先月から渡航情報の見直しを進めていて、24日の時点でおよそ150の国と地域が「渡航中止の勧告」の対象となっています。

国務省とCDCは今回の渡航情報ではオリンピックについて言及していませんが、アメリカオリンピック・パラリンピック委員会は声明を出し、東京大会への選手団の派遣に影響はないとする考えを示しました。

東京オリンピック・パラリンピックについて、バイデン大統領は先月の日米首脳会談の共同声明で大会を開催するための菅総理大臣の努力を支持するとしています。

 

アメリカ五輪・パラ委 選手団の派遣に影響なし

USOPC=アメリカオリンピック・パラリンピック委員会は声明を出し「大会組織委員会とともに現在導入を予定している感染予防策で選手やスタッフには日本への渡航前と到着時、それに大会期間中に検査を行うので、アメリカ選手団の安全な大会参加には自信を持っている」として、東京オリンピック・パラリンピックへの選手団の派遣に影響はないとの考えを示しました。

 

官房長官「今回の判断と選手団の派遣 関連しないと説明受けた」

加藤官房長官は閣議のあとの記者会見で「日本への渡航回避が勧告されているものの必要な場合の渡航まで禁止されているものではなく、また現時点でアメリカは日本人に対する入国制限措置はとっておらず、こうした措置を導入するという具体的な話はないと承知している。アメリカ政府とは日頃から緊密に意思疎通を行っており、引き続き情報収集を行うなど適切に対応していきたい」と述べました。

また、記者団が「東京オリンピック・パラリンピックの準備に影響はないか」と質問したのに対し「大会の開催を実現するという日本政府の決意を支持するアメリカの立場に何ら変更はないと考えている。今回の判断と選手団の派遣は関連していないという説明をアメリカから受けている。今回の措置を受けて、先ほどアメリカのオリンピック・パラリンピック委員会が東京五輪への同国代表の出場に影響はないとする声明を出したと承知している」と述べました。

 

丸川五輪相「東京大会への影響 見込まれない」

丸川オリンピック・パラリンピック担当大臣は記者会見で「アメリカ国務省の措置は日本への渡航回避の勧告はされているものの、必要な渡航まで禁止されているものではないと承知している」と述べました。

そのうえで「アメリカのオリンピック・パラリンピック委員会でも代表選手の出場に影響はないという声明を出しているということなので、東京大会への影響が今のところ見込まれるということはない」と述べました。

 

海外メディアの反応は

アメリカ国務省が日本への「渡航中止の勧告」を出したことについて、アメリカのCNNテレビは「新型コロナウイルスの影響で延期を余儀なくされた東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けたハードルが高くなっている。国務省による今回の渡航情報の引き上げは開催にとってやっかいな兆候だ」と伝えています。

アメリカの有力紙ウォール・ストリート・ジャーナルは「アメリカでは39%以上の人がワクチンの接種を完了している。一方、日本では高齢者への大規模なワクチン接種が始まったばかりだ。日本国内ではオリンピック開催に反対する意見が増えている」と伝えています。