カルチュラルニュース社はビデオ会議アプリを使って「日本の古典文学を読む会」を始めます。6月17日、7:00PM – 9:00PM (ロサンゼルス時間)は、オリエンテーションで、講師の世羅博昭(せら・ひろあき・写真)先生の紹介と、参加者から何を学びたいか、を聞きます。
「日本の古典文学を読む会」は、毎月1回、7月から、「テレこや・ロサンゼルス」プロジェクトの一環で開催します。
6月17日の第1回「オリエンテーション」に参加を希望される方は、higashi@culturalnews.com へ、氏名をお知らせください。折り返り、ビデオ会議に参加するためのIDとパスワードをお知らせします。参加は、ロサンゼルスに限らず、アメリカから、世界から、日本からも参加できます。
カルチュラルニュース編集長、東 繁春
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「テレこやロサンゼルス」を始めます、「場の共有」から「時間の共有」の時代へ
(カルチュラルニュース編集長、東 繁春) ビデオ会議アプリを使った勉強会や会合は、国を超えて、これから、どんどん広がっていくと思います。まるで、個人がテレビ局を運営しているような面もあり、新しいメディアだと思います。
今回のコロナ自粛のため、日本で流行った言葉Teleworkと、江戸時代の庶民の学校であった寺子屋をかけて「テレこや」という言葉を作りました。これまで、ビデオ会議アプリを使った「LAビデオ会合」を開催してきましたが、これからは、テーマを決めて、「テレこや」プログラムを提供していきます。
7月から毎月、1回 「日本の古典を読む会」を、広島市に在住の世羅博昭(せら・ひろあき)先生を講師に迎えて、開催します。当面は無料で提供します。
世羅先生は、東の高校時代の国語の先生でした。高校生のときの東は「源氏はいいね」という世羅先生の言葉を、はっきりと覚えています。源氏物語の何を習ったのかは、まったく、記憶にありませんが。
2006年3月、世羅先生が、徳島県にある鳴門教育大学(国立)を定年退官されるとき、記念講演会が行われました。東がこの講演を聞きに行ったことがきっかけで、2006年から毎年、ロサンゼルスに来ていただき「源氏物語フェスティバル」のタイトルで、源氏物語を原文で読んだり、平安時代の着物ショーやさまざまなイベントを開催し、2010年まで、5回続きました。翌、2011年には、世羅先生は、University of California Santa Barbara で、大学院生を対象にした「源氏物語」講義を行いました。
今回、ビデオ会議アプリを使って、再び、ロサンゼルスで、世羅先生から日本の古典文学を講義してもらうことになりました。
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「古典を読む会」の講師・世羅博昭(せらひろあき)先生の紹介
1940年10月、広島県生まれ。現在、79歳。国立大学法人鳴門教育大学及び私立四国大学名誉教授。博士(教育学)。
高校生(広島県・向原高校)時代に柳川清先生から「源氏物語Jの授業を受けたのがきっかけで、広島大学国文科に進学。4年間、「源氏物語」の研究に取り組む。
1963年4月より21年間、広島県立高校3校と広島大学附属中・高等学校で国語科教師として、高校生に「源氏物語」を中心に日本の古典文筆を読み味わわせる古典教育を展開する。
在職した高校4校全てに「古典を読む会」をつくり、生徒たちと「源氏物語」を中心に古典の読書会を展開する。1974年には、NHK(日本放送協会)のラジオ番組「高校古典研究」で、「伊勢物語の研究」が紹介される。また、高校における「源氏物語」の実践研究をまとめた『「源氏物語」学習指導の探究』(渓水社・1989年)が、全国大学国語教育学会賞を受賞する。
1984年4月より22年間、長崎大学及び鳴門教育大学で、学部や大学院(修士課程・博士課程)の学生を対象として、奈良・平安時代の古典文学や国語科教育学の授業を担当する。2006年3月、「高等学校における古典指導の創造的展開一単元の編成と指導法の開発-」という研究で、広島大学から博士(教育学)の学位を授与される。
2006年4月、鳴門教育大学を退職後、四国大学教授となり、保育所・幼稚園・小学校教員の養成にあたり、2011年に退職する。退職後は、広島市白木町の実家に帰り、現在に至る。
2006年から5年間、アメリカのロサンジェルスで「源氏物語」の講演や輪読会などを行う。2007年には、「源氏物語千年紀」を記念して、「源氏物誇輪読会」の他に、日本から平安時代の貴族衣装を持参して、平安時代衣装の着付けショーも行った。
2008年2月には、「源氏物語千年紀」を記念して、四国大学の世羅ゼミ生(男女9名)が古典創作劇「未摘花(すえつむはな)物語-おかしくて、そして哀しい愛の物語-」(台本・演出・出演)を上演する。朝日新聞や徳島新聞等に大きく取り上げられる。
2007年から5年間、徳島新聞文化センター「源氏物語講座」、四国大学「源氏物語」「古事記」の公開講座、徳島県文学書道館「万葉集」「竹取物語」「伊弊物語」「蜻蛉日記」「和泉式部日記」「方丈記」「徒然草」講座などの講師を務める。
2011年4月、広島市に帰ってからは、中国新聞(広島県の地方新聞社)文化センターでは「源氏物語講座」(5年3ヶ月で54帖全巻読了)、「万葉集」「伊勢物語」「枕草子」「方丈記」「徒然草」の講座、三次市では「源氏物語講座」(あと三帖を読むと54帖読了)、広島市の3公民館では「古事記」「竹取物語」「万葉集」の講座を開いている。
2015年3月、オークランド(ニュージーランド)に招待されて、「源氏物語」の講演や輪読会を行う。2018年9月から、「オークランド源氏物語の会」を結成し、毎月1回、スカイプを使って「源氏物語」を読んで、現在、澪標の巻を読み終えたところである。
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1998年7月の創刊以来、ロサンゼルスの日本文化を紹介する月刊英字新聞 Cultural News は、今回の新型コロナウイルス(COVID-19)の大感染で、日米間の文化交流が停止しているため、2020年4月号から休刊しています。月刊Cultural News の再刊のため3万ドルの募金行っています。5月までに約3500ドルが集まりました。協力していただける方を求めています。募金は非営利団体 Cultural News Association へ送ってください。https://culturalnews.com/donation