2016/カルチュラル・ニュースへのEメール/読者からの声援をいただきました

2016年1月4日

渡邉京子さんからのEメール

東繁春編集長

明けましておめでとうございます。

日々の弛まない貴殿の報告は、誠に貴重な新しい日系社会のウィキペディァとして、保存に価するものと考えます。

確かに、小阪氏のKotohajimeは、野口プラザで当初行われ、何度も観劇させて頂きましたが、今日、劇場版として、他のパフォーマンスとのコラボによって、新年に相応しいプログラムとして恒例化されたことは、小阪氏の企画力のすばらしさと言っても言い過ぎではないと思います。

もっとも、それをこのように紹介される、東編集長の確かな判断力と高度な文化意識に、メディアを離れた、人間としてのレベルの高さを感じないではいられません。

今年も、是非、人々が忘れてしまい、あるいは気付かないまま放置されている文化遺産の発掘にお力添えをお願いしたいと存じます。

ご健康に留意され、益々ご活躍下さることを願っています。

渡邉京子

<<カルチュラル・ニュース編集長、東 繁春から>>

東繁春の見た米国2016/大規模日本文化センターで舞楽を見た

1月3日

違いというものは比べるものがあって、初めて際立って来るものです。ロサンゼルスの日米文化会館(Japanese American Cultural and Community Center) では、同会館Master Artist in Residenceの小阪博一さん企画によるKotohajimeパフォーマンスが、毎年1月の第1日曜日に開催されています。日本の伝統文化と他の国の芸術を同じ舞台で見せることで、あらためて、日本文化の特徴を見る者に気づかせ、また、他の国の芸術のよさも際立たせて見せるという、なかなか得がたい体験を与えてくれるステージ・パフォーマンスです

2016年のKotohajimeは、韓国の伝統音楽(Kugaku)・韓国舞踊と、日本の雅楽(Konju no ha: Togaku)・舞楽(Nasori)の対比、そして、ロサンゼルスの芸術高校生のモダンダンスと坂東流ソロ舞踊(Nagauta FUJI) 、ソプラノ歌手の歌うヘンデルのDank sei dir, Herr ・モーツアルトのLaudate Dominum と弓道のパフォーマンスでした。

出演は、韓国の伝統音楽と舞踊がKorean Classical Music Institute of America、雅楽と舞楽は金那羅(きんなら)舞楽・雅楽、モダンダンスはThe Colburn School’s Trudl Zipper Dance Institute、日本舞踊は坂東秀十美(ばんどう・ひでそみ)、ソプラノ歌手は竹下圭子、キーボード伴奏がカワムラ・マナミ、そして弓道の矢を射るには小阪さん自身で、小阪さんの介添えをするのは一弓会でした。

ロサンゼルスの日米文化会館は、本館が5階建てビルで、隣接の900人収容のアラタニ劇場、有名な彫刻家・イサム野口が設計した「一世の広場」そして本格的日本庭園からなるまことにりっぱな日本文化施設です。

ロサンゼルスの日米文化会館は35年前に設立され、Kotohajimeは今年で25回目になります。当初は、野口プラザで、一般公開、無料で行われていましたが、10年ほど前から会場がアラタニ劇場に移り、有料イベントになっています。

日本の雅楽と舞楽は、わたしは、日本でナマで聞いたり、見たりしたことがありませんでした。ロサンゼルスでは1970年代から本格的な雅楽の演奏グループが作られています。坂東秀十美さん、ソプラノ歌手の竹下圭子さんを始め、出演者は、すべて地元の方です。

ロサンゼルスの日本文化は建物が立派だけではなく、その内容もまことに充実しているのです。わたしはこのKotohajmeを20年近く見ているのですが、毎年、このプログラムを見たあとは、満足感を味わっています。

Kotohajimeの写真は http://digest.culturalnews.com/?p=3820 を見てください。

Shige Higashi / Editor and Publisher of Cultural News

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