2015/敬老ホーム売却反対の集会に約500人が参加、11月23日、連邦下院議員からはカリフォルニア州の売却認可には間違いあるとの発言

2015年11月23日夜、アラタニ劇場で行われたタウンホール・ミーティング (Cultural News Photo)

2015年11月23日夜、アラタニ劇場で行われたタウンホール・ミーティング (Cultural News Photo)

<カルチュラル・ニュース編集長、東 繁春から:ロサンゼルスに住む10万人に日本人に重要と思われるニュースをお届けます。また、このテキストの音声は下記のYouTubeサイトで聞くことができますhttps://youtu.be/K3-ROmamSGM

Ad Hoc Committee to Save Keiro (敬老ホームを救う実行委員会が直訳ですが、「敬老を守る会」と言われています) が、11月23日夜、リトルトウキョウのアラタニ劇場で、タウンホール・ミーティング型の集会を開き、500人以上が集まりました。

ロサンゼルスの高齢者福祉事業「敬老ホーム」の4施設が、不動産会社・パシフィカ社に売却されようとしている事態は、9月になってロサンゼルスの日本人・日系人コミュニティーで広く知られることになり、「敬老を守る会」が作られ、売却反対の署名活動も11月23日の時点で1万2000人の名前が集まっていました。

しかし、「敬老を守る会」がカリフォルニア州司法長官に提出した敬老ホーム売却を延期すべきという要望書が、認められないということが11月の初めにわかってから、ロサンゼルスの日本人・日系人の間には、ある種の無力感が生まれていたように思います。

ところが、23日のタウンホール・ミーティングは、そんな無力感を吹き飛ばし、多くの人が集まれば、敬老の売却を止めることができるという勇気を与えてくれる集会でした。

わたしは、大きなイベントがあるときは、たいてい、会場の入り口で、カルチュラル・ニュースの無料配布をしますが、23日の夜も、タウンホーム・ミーティングは午後7時から始まるというので、1時間前からアラタニ劇場の前で、カルチュラル・ニュースを配る準備をしていました。

23 日は、Crisis in Japanese American Community の特集を掲載した11月号を配布しました。

(カルチュラル・ニュース11月をご希望の方は higashi@culturalnews.com  へ連絡をください。無料でさしあげます)

6時40分くらいになるまで、人出は多くなかったのですが、直前になると、急に人が集まり始め、その中にモントレーパーク選出の連邦下院議員・ジュディー・チュウ氏の姿も見えました。

7時10分くらいに、会場の中での話しが始まると、チュー議員に続いて、やはり、地元ロサンゼルス選出の連邦下院議員で、有力黒人女性政治家のマキシン・ウオーター氏とカリフォルニア州議会下院議員で、ガーデナを選挙区にもつデビッド・ハドリー氏が紹介されました。

タウンホーム・ミーティングは、この3人の政治家の話し、ビデオ上映による敬老引退者ホームの4人の居住者の体験団、そして「敬老を守る会」のリーダーによる意見発表という、大まかに言って3部構成でした。

23日集会で、もっとも印象に残る話をしたのは、ウォーター議員でした。

敬老ホーム理事会が、オバマケアと呼ばれる新医療保険制度を、敬老ホームが近い将来運営が困難になる理由としていることを、はっきりと間違いであると指摘しました。実は、ウォーター議員自身が、オバマケアの推進派で、オバマケアは、貧しい人々に医療を提供するために作られた法律だったからです。その法律の名前が、敬老ホーム売却の口実に使われことを本当に怒っていました。

そして、ウォーター議員が何よりも怒っていたことは、非営利団体が資産を一般企業(営利団体)に売却するときにカリフォルニア州法で義務つけられている公聴会が、行われないまま、売却手続きが進んだことでした。今回の敬老ホームの売却手続きでは、監督官庁であるカリフォルニア州司法局長官が公聴会開催の免除を認めていたからです。

敬老理事会が州司法長官に提出した書類では、62回の説明会がコミュニティーに対して行われていて、反対意見がなかった、と記述されています。そして、このことが、公聴会を免除する理由になっていたからです。しかし62回のの説明会は今回の売却先パシフィカ社に関するものではなく、昨年、司法長官が売却を認めなかったエンザイン社との交渉に関する説明会だったのです。また、ロサンゼルスに住む10万人の日本人に届くように告知されていませんでした。

ウォーター議員のスピーチに参加者が勇気づけられたのは、話のなかでウォーター議員の熱意が伝わっていたからでした。ウォーター議員は、敬老売却問題を聞いたときに、反対運動の火付け役になった医師・入江健二さんら3人に直接会って、話を聞いたり、司法長官に直接電話をかけて公聴会が行われていないことを指摘したと話しました。また、パシフィカ社からウォーター議員に電話がかかり、パシフィカ社の意見を聞かず敬老売却反対の声明をだすのはおかしいと言ってきたという話も披露しました。

敬老ホーム売却手続きは、すでに最終段階のエスクローに入っていて、敬老理事会は、売却後の施設運営にアドバイスをする委員会の委員を公募すると言い出しています。ロサンゼルスの日本人・日系人コミュニティーは、今こそ、敬老ホーム売却反対の声を大きくあげる必要があるのです。

<カルチュラル・ニュース編集長、東 繁春から>