Traditional Japanese performing arts: from left, Rakugo by Ethan Jennings (aka Kanariya Eisho), Shamisen by Mariko Watabe (Yamato Kyosho), and percussion by Travis Suzaka (Yamato Kyoto) at Japan Village, Brooklyn, New York on Feb. 16, 2025. (Photo Courtesy of Fuji Japanese Music)

2025年2月:雨に煙るニューヨークの街角で、日本の伝統芸能が息づいていた。2月16日、ニューヨーク、ブルックリンにあるジャパンビレッジで開かれた寄席で、カリフォルニアを拠点に活動するFuji Japanese Music(ふじのかい)の渡部まり子さん(大和楽芸名・大和杏笙)が、ニューヨーク在住の名取、トラビス・スザカさん(同・大和杏藤)と共に、粋な出囃子を披露した。

この日の高座を務めたのは、アメリカ人落語家の鹿鳴家英笑さん。午後1時、太鼓の音が会場に響き渡ると、三味線の音色とともに高座へ。休憩時間には、渡部さんの三味線弾き唄いとトラビスさんの鳴物で、大和楽の演目が披露された。

前日からの雪が雨に変わったあいにくの天候にもかかわらず、買い物客たちは足を止め、日本の伝統芸能に聞き入っていた。ジャパンビレッジの2階から響く三味線と太鼓の音色は、異国の地で新たな命を吹き込まれているようだった。