2021 / カリフォルニア日本舞踊会が故・坂東三津拡師匠が出演の過去2演目などを構成し約1時間の「秋の日本舞踊動画公開」を無料提供、10月17日から23日まで

 

常磐津 釣女 (坂東和勝恵 坂東秀十美)Tsuri Onna (Tokiwazu) Bando Wakatsue and Bando Hidesomi

ロサンゼルスを中心に活躍しているカルフォルニア日本舞踊会は、「秋の日本舞踊動画公開」(70分番組)を10月17日から10月23日にかけて無料提供します。動画配信のサイトは https://nihonbuyokai.org/virtual-dance-program/ です。

カルフォルニア日本舞踊会は2012年に創立し、日本舞踊の保存と普及を目標とした非営利団体で、毎年、企画イベントを行っています。

この度はコロナ状況下の為、日本舞踊会理事はソーシャルディスタンスと様々な注意事項を考慮し、事前に対面で収録した動画ではなく、過去の舞台動画をロサンゼルスの坂東流と若柳流の先生から提供して頂き、四つの動画を一つの舞踊会として再構成、致しました。

動画には、長唄、大和楽、清元、常盤津と4種類の日本舞踊が含まれています。

動画公開される演目は以下のとりです。

  • 長唄「雛鶴三番叟」(坂東拡鈴、坂東秀十美、坂東拡三也)
  • 大和楽「早春」(坂東三津拡、坂東秀十美)
  • 清元「青海波」(若柳久女、若柳寿美歌)
  • 常盤津「釣女」(坂東三津拡、坂東和勝恵、坂東秀十美、坂東拡正弥)

カルフォルニア日本舞踊会の理事は、2016年に亡くなった坂東三津拡師匠の日本舞踊を全米に普及したいという志しを受け継いだ7人の弟子によって構成されています。

是非、日本舞踊会のウェブサイト https://nihonbuyokai.org もご覧下さい。

ウェブサイトには過去のカルフォルニア日本舞踊会が企画した公演会の写真、日本舞踊をロサンゼルスで紹介、普及そして保存して下さった先生方への追悼動画が載せられています。

カルフォルニア日本舞踊会はインスタグラムとフェースブックにも登録致しております。

ぜひとも、10月17日から10月23日まで提供のカルフォルニア日本舞踊会主催の「秋の日本舞踊動画公開」をご堪能頂ければ幸いに思います。ご視聴の程、宜しくお願い致します。

長唄 雛鶴三番叟 (坂東拡鈴、坂東秀十美、坂東拡三也)Hinazuru Sambaso (Nagauta) Bando Hirosuzu, Bando Hidesomi, Bando Hiromiya

長唄 雛鶴三番叟 (ながうた ひなづる さんばそう)

雛鶴三番叟はお祝いの曲で、宝暦5年(1755)頃の作曲とされています。長唄の三番叟はいくつかありますが、その中で一番古いものです。もともと能では神聖な翁、千歳、三番叟が順に舞う御祝儀曲で翁が中心ですが、歌舞伎では狂言師が舞う三番目に登場する、動きが早く滑稽で面白い舞に重点を置いた三番叟を独立して取り出し、それぞれを「何々三番叟」と称した。この雛鶴三番叟は、普通の三番叟が男性的色彩の濃いのに対し、極めて女性的な柔らかな感じの内容であり、女性に人気がある曲です。

翁=坂東拡鈴、千歳=坂東秀十美、三番叟=坂東拡三也

2009年1月4日、ロサンゼルス、アラタニ日米劇場にて日米文化会館の正月企画、事始め2009年「初芝居」で上演。

大和楽 早春 (坂東三津拡、坂東秀十美)Soshun (Yamatogaku) Bando Mitsuhiro, Bando Hidesomi

大和楽 早春(やまとがく そうしゅん)

舞踊家・花柳宗岳氏が京都の堂本印象氏の絵画(一つ傘に梅と桜の着物を着た女性を描いたもの)を元にして考えたものです。姉妹が同じ傘をさし、それぞれが淡い恋心を思いながら歩いて行く姿を表現しています。

踊り手=坂東三津拡、坂東秀十美

2004年10月2日、ロサンゼルス、アラタニ日米劇場にて坂東三津拡会35周年記念リサイタルで上演。

清元 青海波 (若柳久女、若柳寿美歌)Seigaiha (Kiyomoto) Wakayagi Hisame, Wakayagi Sumika

清元 青海波(きよもと せいがいは)

明治30年、 5代目・清元延寿太夫の名披露目に発表された曲で、品よく整然とした曲調は、明治期清元の代表的な作品とも言われています。

「神代より光輝く日の本や、、、」 の目出度い唄で始まり 松島の景色を荘厳に舞い始めます。海の四季が整然と構成され、荘重さと軽快さなど 見せどころの多い上品な曲です。

踊り手=若柳 久女、若柳 寿美歌

2013年3月、トーレンス市、ジェームス・アームストロング劇場にて若久会(アジア伝統舞踊楽協会)の15周年記念舞踊会で上演。

常磐津 釣女 (坂東三津拡、坂東拡正弥 Tsuri Onna (Tokiwazu)Bando Mitsuhiro, Bando Hiromasaya

常磐津 釣女(ときわづ つりおんな)

「釣女」は、同題の能狂言からほとんどそのまま借用して常磐津に移し、1883年に常磐津と岸沢両家が和解をした時の披露のお祝い曲として、河竹黙阿弥が作詞し、六代目岸沢武佐が作曲した演奏曲として発表された作品です。いまも再々上演されるユーモラスな松葉目もののひとつですが、独り者の大名が太郎冠者を供にして、西宮の「えびす神社」へ参詣し妻を授かりたいと祈願しますと、夢のお告げで釣竿を与えられ、その竿をおろすと美しい上臈を釣りあげます。太郎冠者は羨ましくなり、その竿を借りて釣りあげたのが大変な醜女であり、テンヤワンヤになるというまことに滑稽で明るい舞踊劇です。祝言の踊りや美しい上臈のクドキ、太郎冠者が醜女を釣あげる時の馬鹿ばやしでのおかしみのある振り、釣られた醜女が逃げまわる太郎冠者への女の深なさけぶりなど、面白い見せどころがたっぷりあります。

醜女=坂東三津拡、太郎冠者= 坂東拡正弥、大名=坂東和勝恵、上臈=坂東秀十美

2006年6月11日、ロサンゼルス、アラタニ日米劇場にて、ロスアンゼルス坂東流チャリティー舞踊会で上演。