6月29日の朝刊で歌手で俳優の美輪明宏(みわ・あきひろ)さんの訃報を知り驚きました。
本名丸山明宏さんが6月20日、老衰のため死去(91歳)。
美輪さんは長崎市出身で、5人兄弟の次男として誕生。 10歳の時に長崎市の自宅で被爆した。 その後、上京し国立音楽高(現国立音楽大付属高)中退後、丸山明宏の名で歌手活動を始め、東京・銀座のシャンソン喫茶「銀巴里」に出演。 1957年 シャンソンのカバー曲「メケ・メケ」がヒットし「神武以来の美少年」と話題を集めたが、1年程で沈静化した。
しかし、1966年には、肉体労働者の悲哀と無償の愛を歌った自作の「ヨイトマケの唄」が大ヒットした。
その後、俳優として寺山修司や三島由紀夫が手掛けた脚本の舞台で主演。 中性的なあでやかさで独特の世界観を披露、高い評価を得た。 丸山明宏から「美輪明宏」に改名後、フランスなどでコンサートを行ったほか、舞台「愛の讃歌」で衣装、演出を自ら手がけるなど多彩な活動を展開。
また、声優としても活躍する。 宮崎駿監督の映画「もののけ姫」などにも声で出演した。
被爆体験をメディアで語るともに,反戦や平和をテーマとした楽曲を手がけたことでも知られる。
2012年には77歳でNHK紅白歌合戦に初出場。 またNHK連続テレビ小説「花子とアン」のナレーションを務めたほか、トーク番組などで語る人生論や辛口の批評で若い世代にも親しまれた。
若い世代と言えば、美輪さんが“大学生への手紙”の中で、高価なブランドものを持つのだったら、中身を全部ふさわしい人にしてから持つべきなのです。
顔も背格好も、みんなが同じじゃないでしょう? 自分には自分に合ったものがあるのに、他人と同じ格好をするなんて、みっともないことです。 つまり、中身がない、考える力がないのに。
本物の文化とは、人間にとって水や空気と同じくらい大切なもので、利はあるけど、害はありません。
古今東西の様々な本や芸術に触れて、なおかつ自分で実践しなさい。 楽器を奏でる、絵を描く、本を書いてみるとか。 ただ見たり、聞いたりするよりもずっと身につくし生活に潤いが出ます。
台所を見てごらんなさい。 たくさんの種類のお皿があるでしょう。 種類が多いってことは、文化が豊潤にあるってことなの。 だけど、戦争中から、終戦後、美意識や文化は罪悪視され、機能的であればいい、 お茶碗も割れないものがあればいいという風潮が主流でした。 でも、今はお皿一枚でも、美しさや彩(いろど)り、姿、個性、風合いなどが必要になったわけ。 プラスアルファーで無駄だと思われていたものが、実は一番重要なものだったのです。
15度ほどの人生しか知らない自分に教養を身につけて、160度生きられるようになると素晴らしいでしょう。
2019年秋、軽い脳梗塞を発症して美輪さんは入院した。 舞台公演が中止になった。 入院から約2か月後に、TBSラジオ「美輪明宏薔薇色の日曜日」 で仕事に復帰した。
2022年、弟73回NHK放送文化賞を受賞。 同年に世田谷区名誉区民となる。
2026年6月29日午前9時30分、老衰のため死去した。
最後に、ジェンダーを超えた自らの生き方を発信続け、ファッション、文化の進展に寄与し、日本におけるシンガーソングライターの元祖でもあり、シャンソン歌手のエディット・ピアフを深く敬愛していた美輪さんが、人生のすべての瞬間を『初めて尽(づ)くし』 で生き抜いていました。 私が美輪さんの次の言葉が大好きです;
人間ていうのはね、なんでも初めて尽くしで死んでいく
人間として生まれてきて 保育園に入って、これも初めて 今度は小学校に入るのも初めて
中学生になるのも初めて 今度は社会人になるのも初めて 父親なるのも母親になるのも初めて
社会に出るのも初めてだから いちいち驚いていたら やっていけませんよ
人間なんてのはね、人間は何もかもね 全部初めて 初めて 初めて尽くしで死んでいくんだな、と
思ったらね 度胸が据わって平気になって 開き直れるんですね
究極どうしようかと思ったときはね、鏡を見るといい、そこにはね生き抜いてきた確かな証拠が映ってますから (K. Furuya)
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