Weekly Cultural News / 2021年7月05-11日 / 1932年ロサンゼルス五輪・馬術・金メダリスト・西竹一・男爵(バロン)の馬鞭:西夫人からロサンゼルスの財団へ、そして再び、ロサンゼルスから遺族へ

(カルチュラル・ニュース編集長、東 繁春)私は、1998年に英字新聞 Cultural News を発行し、ロサンゼルスで体験できる日本文化イベントと日本美術展を、紹介してきました。昨年3月までは、月刊で発行していましたが、コロナ感染で、社会活動全体がシャットダウンしましたので、いったん、月刊紙の発行を中止して、昨年6月からは、オンライン配信による Weekly Cultural News を発行しています。

今週の Weekly Cultural News のトップは、1932年ロサンゼルス五輪・馬術・金メダリスト・西竹一・男爵(バロン)の馬鞭のついてのエピソードです。1945年以前の日本では、華族という身分が公式に存在していて、西竹一は男爵の称号を持っていたことから、バロン西と呼ばれていました。

1932年のロサンゼルス五輪に参加したときのバロン西は、陸軍中尉でした。バロン西は1945年2,3月の硫黄島の戦闘で戦死しています。この時は、戦車隊の隊長で、陸軍中佐でした。

バロン西が長年愛用した馬鞭は、1964年の東京オリンピックのとき、バロン西の妻、武子さんから、ロサンゼルスのヘルムズ運動競技財団に寄贈されました。そしてバロン西の馬鞭は、ヘルムズ財団を引き継いだLA84財団が保管していました。LA84 財団は、1984年のロサンゼルス五輪が終了後に設立されました。

今回、日本生まれで、ロサンゼルスで俳優のマシ岡さんが、バロン西の遺族を捜し出し、LA84財団がバロン西の馬鞭を、遺族へ返還することを決めました。今年6月3日に、LA84財団の持つ施設で、バロン西の馬鞭は武藤顕ロサンゼルス総領事に手渡されました。その後、日本の遺族に届けられます。

6月3日の馬鞭返還式は、ABCテレビニュース・アンカー・デビット小野さんの司会で行われ、そのようすが約30分のビデオに編集されました。ロサンゼルス総領事館とLA84財団は7月1日からこのビデオをユーチューブで、公開しています。7月23日の東京オリンピック開催が近づいてきたので、ロサンゼルス総領事館とロサンゼルスのオリンピック関係者が、ロサンゼルスと日本の友好の歴史をあらためて知らせてくれています。

今回で、週刊連載55回になる、渡部まり子さんの「お囃子塾」シリーズは、邦楽の中の「鳴物」太鼓や鼓の役割や作品を日本語ナレーションと英語字幕を使って紹介しています。今週は、大和楽の作品「七夕」を取り上げています。サンディゴの日本友好庭園と、アリゾナ州フェニックスの日本友好庭園でも、今週は「七夕」をテーマのイベントが行われます。

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Contents of Weekly Cultural News, July 05 – 11, 2021

P01: 1932 Olympian Baron Nishi’s legacy becomes a symbolic gesture leading to Tokyo Olympics 2020 + 1

P02: 1932 Olympian Baron Nishi’s legacy becomes a symbolic gesture leading to Tokyo Olympics 2020 + 1

P03: 1932 Olympian Baron Nishi’s legacy becomes a symbolic gesture leading to Tokyo Olympics 2020 + 1

P04: Japanese Percussion Lesson #55 Narimono for Yamatogaku song “TANABATA”

Ad: Uyehara Travel provides 7th Worldwide Uchunanchu Festival tour in Oct. 2022

P05: Shoseian: Teahouse in Glendale, California

P06: Japanese Friendship Garden of San Diego

P07: Japanese Friendship Garden of Phoenix, Arizona

英字新聞 Cultural News は、2020年3月までは月刊タブロイド版で発行していましたがコロナ感染でロサンゼルスだけではなく、アメリカ全土で美術館や文化センターの活動が閉鎖となったため、2020年6月からオンラインの日本文化イベントを紹介する週刊ニュースレターとして生まれ変わりました。2021年4月からはワクチン接種が行きわたり美術館も再開されてきたので、再び、日本美術展を紹介しています。カルチュラル・ニュースの出版・発信の活動を応援するための非営利団体カルチュラル・ニュース協会が2019年3月に設立されました。アメリカの中の日本文化を発展させる活動にご援助ください。寄付の送り先は、カルチュラル・ニュース協会です。