<EN Pacificservice, Inc. からの告知>

深田祐輔監督の短編映画「Perfect World」プロジェクトのポストプロダクション報告会・上映会開発・制作秘話プレゼンテーションが11月15日(火)午後6時から、Nibei Foundation(11570 W. Olympic Blvd. Los Angeles CA 90064)で開かれます。

http://terasaki.org/nibei/

http://eventregist.com/e/perfectworld

深田監督は京都・パリで映画理論・制作を学んだ後、南カリフォルニア大学修士課程を修了。現在は本作品の監督の他、Netflixにて配信予定の番組でプロデューサーとして活動。この映画は、役者とセットを3Dバーチャル空間で無数の点によって物語世界を構築する技術を用いて制作した。モーションキャプチャ技術を応用し、極限まで情報化された世界における人間選別の可能性と危険性の視覚的表現に挑戦しています。

「Perfect World」上映会プレゼンテーション(完成作品の上映会ではありません)11/15開催 **英語プレゼンテーションをご用意しておりますが、日本語でのご質問でも問題ございません。

ファンドレイジング
https://www.indiegogo.com/projects/perfect-world-finishing-funds#

深田祐輔監督は京都市太秦生まれ。映画の街に生まれつつも世界に通用する映画人としての修行を志し、京都大学院とパリにて(哲学者ジル・ドゥルーズの)映画理論と映画制作の基礎を学んだのち、ロサンゼルスにあるジョージ・ルーカスなどを輩出した南カリフォルニア大学の映画・テレビ制作学科修士課程に留学。現在はNetflixにて配信予定の番組にてプロデューサーとして活動する中、モーションキャプチャ・テクノロジーなど、これまで培った技術や理論の集大成として、自らのハンディキャップを抱えた生い立ちから構想した『パーフェクト・ワールド』という短編SF映画の仕上げ作業に取り掛かっています。

この映画では、マイクロソフトのゲーム機、xboxでも使われているキネクトを使ったポイントクラウド技術モーション・キャプチャ技術を応用し、役者とセットを3Dバーチャル空間にてポイントクラウドと呼ばれる無数の点によって物語世界を構築する技術を用いて・テクノロジーを駆使して撮影技術とあわせて物語を製作しています。

華々しいご経歴の監督ですが生まれつき一時は歩けないとまで言われたほどのハンディキャップを足に抱えていたことからこの作品の構想をされたそうです。普通に歩けるようになった今でも、幼少時のリハビリや周囲の目、また外からは見えない身体の違和感や痛みを今でも思い返されることが多々あるそうで、そこからヒントを得て今回の作品の世界観を構築されたとのことです。

監督は「誰もが分かる表面的ものだけがハンディキャップではなく、むしろ外から一見しただけでは分からないが個人として、身体的苦痛だけでなく精神的なアイデンティティの問題に至るまで様々な形で息苦しさを感じて苦しんでいることがあり、僕はそういった、僕も含めた、世の中のスタンダードや社会が無意識的に設定する「普通」とのギャップの中で違和感を感じつつもどう表現していいのかわからない人の声を拾い上げたいと考えてこの作品に臨んでいます」とのこと。

【映画の内容を日本語で要約させて頂きます】

SFの短編映画であるこの作品では、世界のあらゆる事柄をキャプチャーする(データとして取り込む)ことによって、人類の生存にとって生活やシステムの効率が最適化された、全く無駄のない完全世界を設定しています。

その中で鍵となる職業として、社会の効率を下げる人間を根絶するための「堕胎手術医師」ドクターKという優秀な堕胎手術医師が、7年前に別れた女性、グレースにある依頼をされることから物語が始まります。この物語に登場するドクター Kやグレースも、Low Spec(=つまりカギカッコ付きの「出来損ない」)として社会から定義されますが、「普通に」生活している人たちです。ここで、では人間にとって「普通」とは何なのかというこの作品の根源的な問題に直面することになります。

本作品の売りは、この物語世界の構造と論理を、モーションキャプチャ技術とその直接的な視覚化によってより忠実な形で表現している点です。人間の社会と生をデータとして取り込み、それをデータとしてとらえる世界です。それは高度に便利な社会ですが、高度に操作されやすい社会です。その中にある人間の生とは、感情とは?完全なるシステムとノイズとしての人間の共生は可能か?それを視覚的に表現することを目指しています。

また、このモーションキャプチャによって捉えられたデータは、普通の映画のカメラによって捉えられた映像と違い、3Dのデータです。従って、現在様々な分野で広がりを見せるVR(ヴァーチャル・リアリティ)への移行をスムーズに行うことができ、より世界観を具体的に表現することができるのです。このことは、現代の情報化社会に生きる私たちのありかたを表現し、また未だ気付いていない世界の見方とそこに生まれる感情をより具体的な形でとらえるために、とても重要なことだと考えています。

この作品はあくまでも2D映画ですが、現在その2シーンのVR化によって作品のエンターテインメント性だけでなく、世界観の忠実な表現に向けて作業を進行中です。モーションキャプチャしたデータとREDカメラのデータを組み合わせて合成した、Point・クラウドと呼ばれる映像作りです。

昨年5月同大学の撮影現場を見学する機会があり、日本人である深田監督がロサンゼルスでご活躍のプロの方々、学生の方々、外国人など様々な方々をまとめ、支持を出し映画を撮っていく様子には大変感激し、今後世界で活躍が期待される日本人映画監督の一人であることは間違いないと思いました。

ご賛同頂きましたら25ドル〜ご寄付頂くのをご検討頂きますようお願い申し上げます。