カルチュラル・ニュース2013年5月号は、歴代の二世ウィーク・クィーン特集
二世ウィークは、1930年代から、リトル東京で、毎年8月に続けらている日系人イベントです。その中で、もっとも、人気が高いのが、二世ウィーク女王の選出イベントです。女王になれなかった候補者も、コート(女王の家臣)という名称で、女王といっしょに、1年間、ロサンゼルス日系社会のイベントに参加します。
2012年8月号から、歴代の二世ウィーク女王の体験記を、毎月、掲載していましたが、今回、7人の手記をまとめて、掲載してみました。1955年の女王、ステラ・マツダさん以外は、再掲になりますが、紙面のつごうじょう、一部割愛した文章もあります。
1950年代、60年代、70年代、2000年代、そして2010年代の体験記を、いっしょに読んでみますと、ロサンゼルス日系社会の歴史がよく、わかります。
1950年代は、日系コミュニティーの形がはっきりしていて、女王自身も二世で、親の一世の影響を受けて、強く日本人意識があります。
60年代になると、三世が女王候補者になる時代です。三世は、アメリカ人として育っていますので、日本文化や日系コミュニティーを知りません。女王経験者は、女王になってから1年間の活動を通して初めて、日系コミュニティーに積極的に参加するようになり、日本文化への理解が始まります。
そして2000年代は、ハパ(ハーフ)の時代です。ハパは、ハワイ語です。混血児、ハーフ、いずれも、ネガティブなイメージがあるので、今、ロサンゼルスでは、ハパという言い方が、ハパ自身によって、よく、使われています。
2000年代のハパ娘は、母親が一世日本人なので、日本での生活経験もあり、日本語をしゃべるひとも多くいます。ロサンゼルスで暮らしながら、むしろ、日系社会との接点が、なかったという経験を持っています。女王経験者は、1年間の活動の中で、日系社会を体験して行きます。
二世ウィーク女王を、歴史順に調べて行くと、ロサンゼルスの日系社会の記録としておもしろいものができるのではないか、と以前から、考えていたのですが、今回、サンプル的に、7人の手記をならべただけで、十分、読み応えのある記録になりました。
これは、移民研究者には、必読の記録になるのでは、ないかと、思っています。
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そのほかの記事の内容:
アメリカ人の禅体験も、どんなものなのか、手記を書いてもらいました。My First Sitting のタイトルで初めて、ロサンゼルスで日本の禅寺で座禅をした体験記が、掲載されています。(1、3ページ)
現在、ロサンゼルスの美術館では、ロサンゼルス・カウンティ美術館で「北斎展」(4ページ)を、パシフィック・アジア美術館では「ハラリ・コレクション」というロンドンで収集された日本美術が1年間かけて、展示されています(1ページ)。
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