2016/福島の子供オーケストラを支援するチェロ・リサイタルがアズサ・パシフィック大学で、10月15日
<Studio f 森 佳子さんからの告知です>
福島の「相馬子どもオーケストラ」支援 無料チェロ・リサイタル
10月15日(土)19:30開演
Munson Recital Hall(Azusa Pacific University East Campus内)
901 E. Alosta Ave., Azusa, CA 91702
~ 福島の子どもたちに伝えたい、音楽の力 ~
「チェルノブイリ」と旧ソ連の圧制、チェロに救われた経験から
「自身の中に深い音楽世界を内包している稀有な音楽家」「一つひとつの音を精魂込めて追求しながら丹念に情景を描いて行く独自の解釈は、芸術的高みへと収斂」――。昨年3月の東京での初来日リサイタルで、批評家から称賛されたポーランド出身でロサンゼルス在住のチェリスト、マレック・シュパキエヴィッチのリサイタルが、再来日公演に先駆けて10月15日(土)Azusa Pacific University内 Munson Recital Hallで開催されます。
自ら幼少期に隣国でのチェルノブイリ原発事故の恐怖を味わったシュパキエヴィッチは、福島の子どもたちに自分の姿を重ねてきました。旧ソ連の共産党体制下にポーランドで生まれ育ち、最優秀のアスリートと音楽家しか国外に出られなかった時代、21歳でチェロ1挺とともにアメリカへ渡ることを許されたシュパキエヴィッチは、音楽がなかったら共産党支配下の暗黒時代を乗り越えられなかったと言います。福島の子どもの未来を音楽によって支えたいという願いを込め、シュパキエヴィッチは東日本大震災後からエル・システマジャパンの運営する福島県相馬市の「子どもオーケストラ」を支援しています。
昨年3月の初来日リサイタルの収益金から購入して届けられた1/2サイズのチェロは、相馬市の吉田里紗さん(当時10歳)の夢を叶えることになりました。初めて相馬子どもオーケストラに参加する際に子ども用のチェロが足りず、じゃんけんで負けてしまった里紗さんはどうしてもチェロがいいと大泣きしたといいます。そこにシュパキエヴィッチからのギフトが届き、チェロを練習できるようになりました。懸命に練習した里紗さんは今年3月の震災5周年記念のドイツ公演で、参加した子どもオーケストラの37名の中で楽器経験が2年未満と一番短いにもかかわらず、フィルハーモニーのホールで立派に演奏を成し遂げました。
10月29日の東京での再来日公演では、里紗さんを含む相馬子どもオーケストラの17名のメンバーとシュパキエヴィッチによるサプライズ・アンコールがあります。先行する10月15日のロサンゼルスでの公演では同様のプログラム(子どもオーケストラとのアンコールを除く)が披露されます。当日任意の寄付を募集しており、こちらの寄付と東京公演の収益金の一部を合わせて、3/4サイズの子ども用チェロを購入し、相馬子どもオーケストラに届けられる予定です。
ヨーロッパの気品を漂わせながらも、現代では稀有となった骨太なシュパキエヴィッチの演奏は、聴き手の心を揺さぶります。欧米の批評家から「壮大なヴィジョン」「際限のない技術性」と絶賛され、ヨーヨー・マ氏から「エネルギー、モチベーション、真摯さ、そして寛容な心を持っていることが自明なアーティスト」と評されました。
国際的称賛と業績が認められ、2008年にはアメリカ政府から「特殊で卓越能力を持つアーティスト」として永住権が授与されています。
10月15日のリサイタルでは、彼の魅力が一晩に凝縮されたプログラムでお届けします。シュパキエヴィッチのルーツでありリズムと旋律が骨の髄まで染み込んでいるという、スラヴ系作曲家ショパンとラフマニノフのおなじみの曲に加え、アメリカに渡ったことでより一層理解を深めたバーバーの隠れた名曲であるチェロ・ソナタ、そして映画作曲家ヤン・A・P・カチュマレクの編曲家としても活躍し、携わった映画『ネバーランド』が2005年アカデミー賞作曲賞受賞という、彼のアレンジメントの腕が活かされたガーシュウィンの「3つの前奏曲」などが披露されます。
五嶋みどり氏と五嶋龍氏の伴奏者も務める実力派ピアニストのジアイ・シーとの息の合ったアンサンブルを、お楽しみいただけます。
10月29日の東京公演に関しては:
http://szpakiewicz.com/schedule/japan-recital-2016/
《リサイタル詳細》
10/15(土)19:30開演
Munson Recital Hall(Azusa Pacific University East Campus内)
901 E. Alosta Ave., Azusa, CA 91702
無料パーキング:Parking Lot C (Alosta Ave. 隣接)
場所の詳細はこちらから:http://www.apu.edu/map/
マレック・シュパキエヴィッチ (チェロ)
ジアイ・シー (ピアノ)
全席自由、無料
新しい子ども用のチェロ購入に充てるため、任意の寄付を受け付けています。
公演後、レセプションがあります。
《プログラム》
ショパン: 序奏と華麗なポロネーズ 作品3
シューマン: 幻想小曲集 作品73
バーバー: チェロ・ソナタ ハ短調 作品6
ラフマニノフ:
チェロ・ソナタ ト短調 作品19
ガーシュウィン(シュパキエヴィッチ編): 3つの前奏曲
《お問合せ》
Studio f 森 桂子
電話:(213)446-9210
メール:kmori027@gmail.com