
大川小学校の校庭と背後の山 (Cultural News Photo)
(半田俊子さんは、6月7日から10日まで、カルチュラル・ニュース三陸体験ツアーに参加しました。8日は、石巻市立大川小学校を訪れました。大川小学校は、2005年に合併で石巻市に編入されるまでは、河北町の学校でした。石巻市立の学校と聞くと、石巻の市街地にあるように思いますが、実際の場所は、石巻からは1時間もかかる三陸の小集落でした)
By 半田俊子 (ロサンゼルスから)
誰も何も言えない事だという事が現地を見てわかる。
現地に足を運んで地元の人に地形についての説明を受け
津波の来ると予想した方向と、思いもかけずに戻って還る津波の状況を
聞いて、言葉には表せない苦しい胸の思いだけで あとは止めどなく
涙しか出てこない。自然の脅威たるや現場にいない者には分からない.
多くの幼い命が怖さに震えて泣き叫んだであろう、声も出せずに
一気に命を落としたかも知れない、お母さんの、お父さんの、お兄ちゃんの、
おばあちゃんの、大好きな友達や 犬や猫の顔が一瞬よぎったかもしれない。
その子供たちを必死で守ろうとした教職員が突然遭遇した思いがけない
早い激しい波の脅威、その瞬間の悔しさは如何ばかりであったろう、
自分の家族の無事さえ分からずに子供たちを守ろうと決めた行動の先に
自然の猛威が襲ってこようとは、責任を果たそうとする必死の努力も報われず
藻くずと消えた、それぞれの尊い多くの命を思うと自然界に置ける人間のもろさ
が嫌と言うほど胸に迫る。
急傾斜の山を背負って凛と立つ小学校の廃舎、前に広がる校庭、その前を
流れる海からの川 その上をまたぐ橋 そこに向かって逃げた大勢の子供たち。。
海からの波をさけた筈が一度上流を襲った津波は思いもかけない方向から
子供たちを向かい撃ちした。
その光景は生涯わすれない。