ロサンゼルスの高齢者福祉「敬老シニア・ヘルスケア」の全4施設売却問題で、売却の反対団体「敬老を守る会」(Ad Hoc Committee to Save Keiro)は14日午前、「敬老」売却に反対する連邦下院2議員と合同で、記者会見と反対集会をガーデナ市内の教会で開き、ロサンゼルスの3つの弁護士事務所と介護ホーム改革団体の協力を得たことを発表した。
「敬老」売却の反対運動を援助しているのはガーデナに選挙区を持つマキシン・ウォーターズ議員と、モントレー・パークが選挙区のジュディー・チュウ議員。14日の集会には元カリフォルニア州下院議員のジョージ・ナカノ氏も登場し、「敬老」売却反対を表明した。
14日の集会は、「敬老」のガーデナ市内の介護施設の隣に立地するファースト・サザン・テスト教会で行われ、礼拝堂が満席の約300人が参加した。
3つの弁護士事務所からは、約10人の弁護士が「敬老」問題を担当する。「敬老を守る会」に協力する弁護士たちは、プロ・ボノ(無料弁護活動)で仕事をするため、弁護士費用は発生しない。
無料弁護活動を行う3つの弁護士事務所は、ベットゼデック(Bet Tzedekヘブライ語で「正義の家」の意)、ロサンゼルス・リーガル・エイド基金 (Legal Aid Foundation of Los Angeles)、ギブソン・ダン・クラッチャー法律事務所(Bibson Dunn and Crutcher Law Firm)。弁護団は、ベットゼデックのバイス・プレジデント、エリサ・バレット弁護士が団長を務める。「敬老を守る会」からは日系のロナルド・ヒラノ弁護士が、「守る会」と弁護団との調整役を果たす。
ベットゼデックは、ユダヤ人弁護士が中心の権利擁護団体で、これまで、40年間にわたり、不当に住居を追い出されたり、人種差別で居住を得ることができない人たちの弁護活動をしている。14日の集会には、ベットゼデックからアキコ・ニシノ弁護士が参加した。
弁護団の「敬老を守る会」への協力は、ウォーターズ議員の斡旋で実現した。弁護団は「敬老」売却問題についてすでに独自の調査を行い、売却手続が適切に行われていないことを確認している。
「敬老」売却問題は、1月中には、エスクロー(買収金額の払い込み手続き)が完了すると公表されている。14日の集会で、司会を務めた「敬老を守る会」のタケシ・マツモト医師は、エスクローが終わっても反対運動を続けることを強調した。カリフォルニア州司法長官に、売却承認の撤回を求める署名はこれまで、約1万7000名が集まっており、これからも、署名活動を続ける。
「敬老を守る会」は、1月23日(土曜)午後1時に、リトル・トウキョウのセンテナリー・メソジスト教会で「スピーク・アウト」と銘打って「敬老」売却反対の声を集める集会を開く。