
コスタメサ、カリフォルニア - 2025年4月6日:穏やかな春の陽気に恵まれた日曜日の午後、OCジャパン・イベント・センター(88 Fair Drive, Costa Mesa)に日本の伝統的な三味線の音色が響き渡りました。Fuji Japanese Musicは、午後3時45分から4時40分まで、大和楽USAメンバーと日本から招かれた大和楽三代目家元の大和櫻笙氏を迎え、「江戸祭」「狐」「富嶽三十六景神奈川沖浪裏」「娘みこし」「上を向いて歩こう」の5曲を披露しました。
公演の目玉となったのは、大和櫻笙氏による「富嶽三十六景神奈川沖浪裏」の独奏でした。葛飾北斎の有名な浮世絵を巨大スクリーンに映し出す中、三味線の音色だけで波の動きを表現するという試みは、日本でも滅多に見ることのできない貴重な演奏でした。
大波が押し寄せては引いていく様子が音楽によって生き生きと描写され、会場を埋め尽くした観客を魅了しました。この曲は大和櫻笙氏の父である大和久満氏が、長唄の芳村伊十七の名で作曲したもので、大和楽USAのメンバーでもある渡部まり子氏(囃子の芸名:堅田喜巳扇)が平太鼓で波の音を表現し、演奏に華を添えました。
このコンサートでは、大和楽の唄方であり囃子奏者でもある渡部氏による革新的な取り組みも注目を集めました。日本の音楽史上初めて、囃子を演奏しながら唄い、さらには司会も務めるという前例のない演出が行われました。また、大和櫻笙氏の独奏時に全員が舞台から退出し、再び戻るという時間的制約もあり、唄い手全員が立って歌うという珍しい試みも行われました。
今年は昨年よりも大幅に規模が拡大したOCジャパンフェアは何万人もの来場者で賑わいましたが、大和楽USAの演奏に観客は最初から最後まで熱心に見入り、会場は歓声と拍手に包まれました。
コンサートの最後には、11月2日にパロスバーデスのノーリス劇場で開催される大和楽USA25周年記念コンサートのお知らせがありました。この特別公演には日本から5人の一流演奏家が招かれるとのことで、日本の伝統音楽ファンには見逃せないイベントとなりそうです。優雅で格調高い大和楽の世界を体験できる貴重な機会となるでしょう。
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