改修工事のため2025年1月からパビリオンが休館する全米日系人博物館では、展示館外や他都市、オンラインで 「JANMオン・ザ・ゴー」 プログラムを開催

全米日系人博物館 (Japanese American National Museum =JANM) のパビリオン(展示室のある本館)はリノベーションのため、2025年1月5日をもって休館します。

全米日系人博物館 (JANM)はプログラムを、2025年1月5日以降も、パビリオン以外の JANM施設やJANM以外の場所で引き続き開催します。

2025年に全米日系人博物館 (JANM) はパビリオンのリノベーションと常設展の刷新を開始します。長年にわたって日系アメリカ人の歴史を伝える常設展として展示を行ってきた「コモン・グラウンド:コミュニティの心」展は、2025年1月5日をもって閉幕し、その展示を行なっているパビリオンは休館に入ります。

2025 年から2026年までのパビリオン休館中には、全米日系人博物館(JANM)は、「JANM オン・ザ・ゴー」(JANM on the Go)として、 JANMの他施設やリトル東京、ロサンゼルス大都市圏、南カリフォルニア、そして米国各地や日本で、特別展、プログラム、ファミリー・フェスティバル、教育プログラムなどを開催します。

ロサンゼルス地域での「JANM オン・ザ・ゴー」のハイライトは、2025年7月31日から11月12日に、カリフォルニア州パサデナのアートセンター・カレッジ・オブ・デザイン内マリン・ギャラリー(Mullin Gallery, Art Center College of Design)で、JANM主催の展覧会「クルージング・Jタウン:日系コミュニティーの自動車カルチャー」です。作家で研究者でもあるオリバー・ワンのキュレーションによる同展は、自動車カルチャーの進化に日系アメリカ人コミュニティーがどのように貢献してきたかを時系列で辿るとともに、自動車やトラックの世界を個人表現、集団アイデンティティー、そして社会モビリティーの側面から探求します。なお、「クルージング・Jタウン」は全米人文科学基金の支援を受けています。

JANMの「ピクチャーズ・オブ・ビロンギング:ミキ・ハヤカワ、ヒサコ・ヒビ、ミネ・オークボ」展は、2025年から2026年にかけて全米各地を巡回します。ワシントンDCのスミソニアン美術館、ペンシルベニア州フィラデルフィアのペンシルベニア美術アカデミー、カリフォルニア州モントレーのモントレー美術館を経て、2026年後半にはJANMでの展示で全米ツアーを締めくくります。

同展のキュレーションを行ったのは、カリフォルニア大学マーセッド校の社会科学・人文科学・芸術学部グローバルアート・メディア・ライティング学科コーツ・ファミリー・チェアー兼美術史教授であり、スミソニアン・ナショナル・ポートレート・ギャラリーのコミッショナーでもあるシープー・ワン博士。

この「ピクチャーズ・オブ・ビロンギング」展は、第二次世界大戦前から活躍してきた3人の日系アメリカ人女性の作品とライフストーリーを紹介することで、アメリカの経験のより大きな像を浮かび上がらせます。この3人の作品が一堂に会するのは同展が初めてのことです。同展は、テラ・ファウンデーション・フォー・アメリカン・アートの支援により実現しました。また、このプロジェクトは全米芸術基金からも一部支援を受けています。

「JANM オン・ザ・ゴー」の開催中も、JANMはリトル東京やその他のロサンゼルス地域で「お正月ファミリー・フェスティバル」と「夏祭りファミリー・フェスティバル」を開催します。

お正月ファミリー・フェスティバルは2025年1月にJANMのノーマン・Y・ミネタ・デモクラシー・プラザで、2026年1月にはリトル東京で開催予定です。

夏祭りファミリー・フェスティバルは2025年8月に開催予定で、会場は後日発表いたします。これらのフェスティバルは、日本と日系アメリカ人の文化的な伝統を祝い、文化的多様性への理解、認識、敬意を育み、異なる文化間の架け橋を築く、活気に満ちた楽しいイベントとなります。

JANMのヒストリック・ビルディングとタテウチ・デモクラシー・フォーラムは、本館リノベーション期間中も開館します。

JANMのダニエル・K・イノウエ民主主義保存全米センター(デモクラシー・センター)では、特別講演シリーズ、シビック・シーズン、グランド・イベント、パネル・ディスカッションを開催予定で、さまざまな年齢層の多様な背景を持つ人々が集って、意識変革や文化の祝祭、市民参加を促進するため、人種、アイデンティティー、社会正義に関する課題を検討します。

一般向けプログラムや、JANMブッククラブやアートのワークショップのような人気シリーズは、リトル東京内外の多様なコミュニティーで開催予定で、オンラインでもライブ・ストリーミングをする予定です。JANMはまたロサンゼルス・カウンティーフェア、ロサンゼルス公立図書館でのイベント「AAPIジョイ」、「モントレーパーク桜祭り」、その他南カリフォルニアで開催されるお祭りなどのコミュニティー・イベントにも参加し、アートやクラフトのアクティビティーや、日系アメリカ人の経験を臨場感を持って伝えるテクノロジーを駆使したイノベーティブな体験などを紹介していきます。

JANM教育部門が提供するバーチャル・フィールドトリップも、1年生から12年生を対象に実施します。このバーチャル見学は、毎年16州の何千人もの生徒を対象に行なっているもので、教育部門はアメリカ史に関するこの重要なオンライン授業を、ロサンゼルスをはじめとする各地の教室で継続的に行って参ります。

またJANMの教育部門は、リノベーション期間中に当館教育部門スタッフを教室に派遣するプログラムを開発中です。さらに、大人向けのバーチャル訪問も利用できるほか、企業向けDEIトレーニング・プログラム「ヒストリー・アンパックド」も開始しました。

ディスカバー・ニッケイは、JANMのデジタル・プレゼンスを国内外に発信するコミュニティー・ウェブサイトであり、国際的なネットワークです。

2025年2月8日には、その20周年とウェブサイトの新デザインを祝い、JANMのヒストリック・ビルディングにて、家族向けアクティビティーやワークショップ、多言語パネル・ディスカッション、日系食品にスポットを当てたレセプションを開催します。

英語、日本語、スペイン語、ポルトガル語で紹介されるディスカバー・ニッケイのコンテンツには、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、キューバ、日本、メキシコ、ペルーを含む50カ国以上のコミュニティメンバー数百人からの投稿が含まれています。

慰霊帳:名前の聖なる書物」は、2022年9月にJANMでの展示を開始して以来、第二次世界大戦中、アメリカによって不当に強制収容された125,000人以上の日系人を偲ぶため、世界中から日系人の家族が訪れる巡礼の場所となっています。JANMでの「慰霊帳」の展示は2024年12月1日までで、JANMは慰霊帳プロジェクトおよび南カリフォルニア大学 (USC) のダンカン隆賢ウイリアムズ教授と提携し、戦時転住局や司法省、戦時市民管理局の強制収容所跡地での巡礼に合わせて、同書を巡回予定です。

JANMは、ストーリー・ボールドリーおよびアウトサイド・イン・シアターとともに、デイビッド・オノの感動的なライブ・ストーリーテリング・パフォーマンス「ディファイニング・カーレッジ」の全米ツアーを開催中で、2025年と2026年には、シカゴ、デンバー、ダラス、シアトル、オレゴン州ポートランド、カリフォルニア州バークレーでの上演を予定しています。

JANMのフランク・H・ワタセ・メディア・アーツ・センター(MAC)は、数々の賞を受賞しているドキュメンタリー映画「ノブコ・ミヤモト:ムーブメントの歌」を2025年に各地の大学キャンパスで上映します。また、映画監督ロバート・ナカムラをとりあげた「サード・アクト」は、全米の映画祭で上映予定です。いくつかのMAC作品は、ニューヨークのジャパン・ソサエティーや、日本各地でも上映予定です。

2026年から2027年には、「一緒に食べる:日系アメリカの食」展が開催されます。キュレーターはJANMのエミリ・アンダーソンです。開催を予定しているのは、ワシントン州シアトル、コロラド州デンバーなどで、それぞれのコミュニティーにおける日系食の伝統を探求するポップアップ・イベントになります。ロサンゼルスではJANMで開催する予定で、日米文化会館とのパートナーシップによるさまざまな一般向けプログラムが予定されています。

また、「JANM オン・ザ・ゴー」は日本でも実施します。「JANMコレクションからたどる日系アメリカ人の歴史と美術」展は現在名古屋で開催中で、今後横浜でも開催予定です。また「BeHere / 1942」展を東京都写真美術館で開催します。また、和歌山県立近代美術館との姉妹館提携も進めます。

JANMストアは、書籍、映画、おもちゃ、日系アメリカ人の歴史をモチーフにしたオリジナル商品など、JANMならではの品揃えでJANMのミッションを共有しています。リノベーション期間中、実店舗は休業しますが、人気のカタログとオンラインストアjanmstore.comはJANM オン・ザ・ゴーの期間も利用できます。

これらのプログラムの詳細や、今後のプログラムの発表は、janm.org/OnTheGoをご覧ください。