5月25日(日本時間)京都・宇治で「源氏物語宇治十帖の世界」セミナー
有限会社 昇苑くみひも(本社:京都府宇治市、代表取締役:梶 均)は「宇治十帖」に特化する源氏物語セミナーシリーズ(全3回)の第2回目を5月25日(土)に、中宇治のカフェ「抹茶ロースタリー」で開く。
2024年4月20日に開催済みの第1回目では、平安時代の宇治の立地、当時の宇治川の様子、物語の舞台となった主人公らの別荘(現在の平等院、宇治上神社・宇治神社)を解説した。
今回は「恋のトライアングル」と題し、光源氏の子孫の二人の貴公子と三人の姫君が織りなす二種類の「三角関係」を取り上げる。光源氏を明石に追いやった政敵側に担がれた八宮、明石中宮が生んだ皇子匂宮、源氏の息子として育つが不義の子の薫、八宮の娘である大君・中君・浮舟が主人公である。宇治の自然や風土を背景に、どのような複雑な人間模様が描かれているかを明らかにすることを通して「源氏物語」のもつ人間探求の深さ、自然描写と心理描写のすばらしさを浮き彫りにする。また、その物語の中で、現在の宇治の地にある宇治川や橘島・塔の島、その東にある宇治上神社・宇治神社・三室戸寺、西にある平等院などが、どのように「宇治十帖物語」の恋の展開の中に生かされているかにも触れる。
6月15日開催予定第3回目では、恋の板挟みに悩んで宇治川に入水した浮舟のその後の生き様を追う。平安時代の文学作品としてはユニークな視点で描かれた女性像を通して解読する。またこの完結編の総括として紫式部が宇治の地を選び宇治十帖を書いた理由の核心にせまる。
全ての回で、世羅氏作成の詳細資料(約20頁)を配布し、原文の一部も読み解きながら物語を鑑賞する。第2回目からの参加者でも希望があれば、第1回目の資料とビデオ録画のリンクも提供される。
講師は、60年近く「源氏物語」の教鞭をとってきた世羅 博昭氏(せら・ひろあき、鳴門教育大学・四国大学名誉教授、教育学博士)。日本国内の高校、大学、海外での源氏物語講義の実績も厚く直近では2020年から現在まで「宇治十帖セミナー」を毎月オンラインで米国在住者対象に行っている。企画を推進する梶氏は「『大河ドラマ・光る君へ』をきっかけに宇治に熱い視線が注がれています。本セミナーは「宇治十帖」を読み解くためにカスタムメイドした内容で、講師は、「源氏物語」の古典教育で定評のある世羅博昭氏をお迎えします。」と話す。
本セミナーは、ロサンゼルス・カルチュラル・ニュース Cultural Newsと共催で、各セミナーは米国ロサンゼルスでリアルタイム配信する。また各セミナーでロースト抹茶ドリンクと創作スィーツを提供する。
【「源氏物語・宇治十帖の世界」セミナー概要】
第2回5 月25日(土):13:30~15:30 「恋のトライアングル」
「宇治十帖」に見られる様々な「恋のトライアングル」(三角関係)
今も昔も変わらぬ愛の喜びと苦しみについて考える。
第3回6 月15日(土);13:30~15:30 「新しい生き方を求めて」
宇治川に入水未遂した浮舟の波乱に富んだ生き方を追う。
紫式部が宇治の地を選んだ核心にせまる。
開催済:第1回4 月20日(土)13:30~15:30
「源氏物語」と「宇治十帖」の概略の紹介
「宇治十帖」は、なぜ舞台を《宇治》にしたのかを探る
共催; 昇苑くみひも・抹茶ロースタリー/ロサンゼルス・カルチュラル・ニュース
場所; 抹茶ロースタリー@中宇治 (宇治市宇治妙楽146番地)
参加者;先着20名様まで(2回、3回とも単独参加)
参加費:1回3,300円(税込、講義・資料代とロースト抹茶ドリンク/スィーツ)
お問合せ・申込;抹茶ロースタリー 0774- 34-1125、https://matcharoastery.com/products/list?category_id=30
【世羅 博昭氏について】
1940年10月、広島県生まれ。国立鳴門教育大学・四国大学名誉教授。博士(教育学)。源氏物語の普及をライフワークに高校、大学で教鞭をとる。海外ではニュージーランド・オークランドで「源氏物語を読む会」の講師を務める。米国ロサンゼルスでは、国際交流基金ロサンゼルス日本文化センター、カリフォルニア州立大学ノースリッジ校日本語コース、カリフォルニア大学サンタバーバラ校大学院で講演を行う。2020年7月から現在まで通算44回、オンライン・ズームでロサンゼルス・カルチュラル・ニュース主催の「源氏物語─宇治十帖物語を中心に─』の講師を務めている。高校生に古典を教えた実践研究をまとめた『「源氏物語」学習指導の探究』( 渓水社・1989年刊) は全国大学国語教育学会賞を受賞。この著書は宇治「源氏物語ミュージアム」図書室に収蔵されている。近著『高等学校における古典教育の創造的展開─ 単元の教材編成と指導法の開拓─ 』(溪水社・2023年刊、上下2巻・872頁)は日本初の高等学校における古典教育実践研究の大著。