みやざきたかし詩集:雨の大和路

宮崎隆

 

車窓に、重く雨雲がかかっている生駒山が迫って来る

今日は、あの向こう郡山で「言葉サロン」を開催する

その気持ちを煽るように、電車は急勾配を駆け上がる

トンネルを抜け、雨に煙る大和路、また別様の街並み

 

大和言葉の動詞を沢山使って、昨日の自分を綴ってみる

新しい角度からの「言葉エクササイズ」、実地と話合い

素直でない「登らせて」、しかし詩にも聞こえる動詞文

大人のための国語塾、おそらく他ではやってないだろう

 

帰路は樫原神宮から阿倍野に出て、ちょっと遊ぼうか

でも、それは、今、一番やりたいことではなさそうだ

南大阪線は人身事故で運転見合わせとか やっぱりな

八木から特急券を買って、ちょっと旅行気分を味わう

 

いつもアウエーを楽しみ、直観とアイディアを大切に

そうすれば脳が喜び、お金持ちになるという本を読む

その通りと賛同するが、実はいつもお金に困っている

だが今日は、なにか金持ち気分で、お風呂でくつろぐ

みやざきたかし詩集(24-008)2024.2.25.

 

宮崎隆=関西の中高一貫私立校の国語の先生、ES国語塾の運営、派遣講師などをしながら日本語の表現を高めることを広めている。民謡の研究家でもある。