2023 / サンペドロで10月9日に発見されたアジア系男性、ハーバーUCLAメディカル・センターで意識不明が続く、所持品に日本通貨の入った財布。ロサンゼルス・カウンティー公衆衛生局が身元確認に、一般市民の協力を求める。(週刊ニューヨーク生活より)
週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一(2023年10月18日)
みなさん、こんにちは。カリフォルニア州ロサンゼルス市南郊サンペドロで今月9日、外傷性脳損傷の身元不明男性が発見されました。ロサンゼルス郡の公衆衛生当局が、サンペドロで重傷を負った患者の身元確認に一般市民の協力を求めています。
ロサンゼルス郡保健サービス局によると、この患者は20代半ばのアジア系男性で、外傷性脳損傷を負った後、同市ワイルダー・アディション公園近くの住宅地、サウスメイヤー通り3700番地で倒れているのを発見されたとのこと。負傷の原因は公表されていません。
男性は黒いバックパック、日本の通貨が入った財布、旅行サイズの衛生用品数点を持って発見されたとのこと。タトゥーや目立つ傷はない。当局によると、男性は身長1メートル75センチ、体重約70キロ。11日以降18日現在も、ハーバーUCLAメディカルセンターに入院していますが、鎮静剤を投与されたまま意識不明の状態が続いているそうです。
同病院では身元確認に役立つ情報を持っている人からの情報提供を求めるため「メディアアラート」として本人の写真と併せて情報を公開しました(本紙6面に記事掲載)。地元でニュースやインターネットで報道されたこともあり、日本からロサンゼルス日本総領事館に「旅行に行ったまま連絡が取れなくなった息子かもしれない」と安否を心配する問い合わせが数件あったそうです。
総領事館の館員がメディアアラート翌日に病院に行ったそうですが、その負傷した男性が日本人であるという確証が得られなかったため、同総領事館では、地元在留邦人やロサンゼルスの日系社会に対しての公表や情報の提供を求める呼びかけなどはしなかったそうです。
「日本人であるとの確証が得られない状態で、国が動くことは問題がある」というのが理由だそうです。心当たりの人は電話424・306・5305、ハーバーUCLAメディカルセンターになっていますが、総領事館の電話番号の掲載は「ロサンゼルス総領事館が安否の電話問い合わせ先となると、その人がすでに日本人であるということが前提になってしまうので電話番号の掲載は控えたい」との返事でした。
しかし病院では「邦人安否の確認は日本総領事館にして欲しい」と話しています。確かに日本人でないかもしれない人の安否確認などで国の出先機関である在外公館が動くのは問題があるのかもしれませんが、財布に日本円がまだ入っているということは、ごく最近まで日本にいた可能性もあります。
日本で心配している家族がもしいて、この事実を知らないまま万が一のことがあったら、もっと早く知らせて欲しかったという辛い結果になりかねないです。子供の安否を気遣う親の気持ちを察すれば、日本人ではないかもしれないが、日本人であるかもしれないことの可能性が五分五分なら、一歩踏み込んで、人道上の立場から、せめて注意喚起のメールというような方法で在留邦人と情報の共有ができなかったものか。
今週号では、管に繋がれて痛々しいですが、病院が公開した男性の顔写真も掲載しています。もし顔に心あたりのある人は、病院に電話されてください。このことと直接的な関係はないですが、外務省は、海外在留邦人の今後の領事業務の質の向上・改善に向けた参考とするためにアンケート調査を10月18日(水)から11月8日(水)まで実施するそうです。それでは皆さんよい週末を。
週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一
【編集後記】より
週刊NY生活へのリンク(6)日本人男性か? ロス南郊で重体で発見https://www.nyseikatsu.com/ny-news/10/2023/39489/