2023 / 全米日系博物館の特別展「自由がほしい:僕らはアメリカの強制収容所で大人になった」、2023年3月4日から10月1日開催中 / 関連プログラム:星空の下で:第二次世界大戦中の強制収容所経験者による会話、6月17日(土)、12-1:30PM
全米日系人博物館(JANM)では、特別展「自由がほしい:僕らはアメリカの強制収容所で大人になった」展を、2023年3月4日(土)から10月1日まで開催しています。
Japanese American National Museum
Don’t Fence Me In: Coming of Age in America’s Concentration Camps
この展覧会では、第二次世界大戦中の強制収容という不正義に直面した若い日系アメリカ人が、アメリカ人の若者として自らの立場をどう主張し、誰もが経験する青春期をどう過ごしたのか、その経験に迫ります。
「当館のボランティアを含む、第二次世界大戦中の強制収容の生存者の多くは、子供時代や青年期に収容されました。現在、彼らは70代、80代、90代といった年齢ですが、自らの経験や歴史、子供時代の教訓を伝えようとするエネルギーと熱意は尽きることがありません。
その教訓は今の世代にも共鳴し続けるもので、民主主義を守り、アジア系に対するヘイトや差別、人種的不公正に立ち向かうために不可欠なものです」と館長兼CEOのアン・バロウズは述べます。
この「自由がほしい」展では、写真や個人的な物語、スポーツのユニフォーム、楽器、ボーイスカウトなどのスカウトの記念品といった歴史的な物を通して、戦時転住局の運営していた強制収容所とクリスタルシティーの司法省抑留所で大人になった、若いアメリカ人のたくましさと創意工夫に触れていただきます。
青春期の彼らは突然の混乱と不当な収容に直面しながらも、ボランティア活動やキャンプ旅行、社交ダンス、スカウト旅行、スポーツリーグなどを通して、レジリエンスと創造力を発揮し、友情とコミュニティーを築き上げたのです。
同展にあわせて、関連書籍の刊行と、4つの一般向けプログラムを予定しています。関連書籍は、アメリカの強制収容所で育った人々の経験をエッセイやイラストで紹介するものです。同書は、janmstore.comで販売予定です。
「自由がほしい」展のユニークな点は、有刺鉄線の中で成長することの複雑さを表す歴史、個人的な物語、その歴史的な遺物にあります。若い人々にとって大人になる経験は、個人的なものであり、かつ普遍的なものです。しかし彼らの経験には、市民としての自由が不当に剥奪された時代と場所で大人になるという悩みがつきまとっていました。
自分たちの居場所の大半が失われてしまった後でも、彼らは居場所を求め続け、そして同時にコミュニティーのつながりを再建するために力を尽くし、また過去からの厳しい教訓を未来の世代に伝えてきました」とJANMプロジェクト・キュレーターのエミリー・アンダーソンは話します。
「自由がほしい」展の一般向けプログラムは、第二次世界大戦中のアメリカの強制収容所での若者としての体験や、厳しい環境の中で青春を送ることのチャレンジについて、観客の皆様に感じていただく機会になります。
最新の一般向けプログラム情報は、janm.org/eventsでご確認ください。また、アプリ、ブルームバーグ・コネクトにあるJANMの無料デジタル・ガイドで、展示のオーディオツアーが視聴できます。
関連プログラム
2023年3月4日(土)
2 p.m.–3:30 p.m.: 国旗掲揚:アメリカの強制収容所におけるスカウトと青春時代
ハートマウンテンのボーイスカウトが、第二次世界大戦の強制収容所での青春について世代を超えた対話を行います。このイベントでは、第二次世界大戦中に10代で強制収容された元ボーイスカウトのハルミ・ベーコン・サカタニが、かつてのボーイスカウトの仲間とともに、2019年のハートマウンテン巡礼の開会式で米国旗を掲揚することにこだわった瞬間を捉えたユカ・ムラカミの短編映画が上映されます。
またイーグルスの集いも開催され、ボーイスカウトのコミュニティーが一体となって語り合う機会を提供します(チケットの詳細はjanm.orgで発表予定)。
2023年6月17日(土)
12 p.m.–1:30 p.m.: 星空の下で:第二次世界大戦中の強制収容所経験者による会話
2 p.m.–5 p.m.: ファビュラス・エスクワイア・ビッグバンドによるオールキャンプ・スイング・ダンス
チャレンジに直面したコミュニティーのレジリエンスを、ダンスを通して見つけるプログラム。個人の語り、歴史、ダンスから、アメリカの強制収容所の若者にスイングミュージックとダンスが与えた影響を検証するプログラムで、インパーソンで開催します。
ダンス保存家のラスティ・フランクが、第二次世界大戦中の強制収容所の生存者であり、10歳のときにアーカンソー州ローワーで出会ったジューン・バークとタカヨ・フィッシャーとの対話を通じて、困難な状況を克服する若者とはどのようなものであったかを探ります。
座談会の後は、生演奏によるスイング・ダンス、初心者向けのダンスレッスン、そして会場の皆さん全員に参加していただける機会を設けます。(チケットはjanm.orgで)
また2023年夏には、ストーリーテリングに関する2つのプログラムを開催します。「私たちの家族の物語を伝える」は、参加者同士が物語を共有する方法をガイドします。「私自身でありたい:歴史に学んで大人になる」では、よく知られた若者やリーダーを招き、米国の歴史を通して、さまざまな背景を持ち、周縁化されたアイデンティティーを持ちながら大人になることの挑戦について話し合います(日程とチケットの詳細はjanm.orgで発表します)。
「自由がほしい:僕らはアメリカの強制収容所で大人になった」展は、米国内務省、国立公園局、日系人収容所跡地助成プログラム、より強いコミュニティーのための財団、カリフォルニア州、カリフォルニア州立図書館、カリフォルニア・コミュニティー財団から助成を受けています。メディアスポンサーは羅府新報です。