石井志をんの短歌研究、家族の歌: 松江久志「花宇宙」春の巻 (その十一)

石井志をんの短歌研究、家族の歌

松江久志(まつえひさし)「花宇宙」春の巻 (その十一)

 

「向き向きにピンクはじける桜花車椅子より義母は見飽かず」

「見の限りの桜のなかに妻立たせシャッターを押す朝の清しさ」

松江久志の著書「花宇宙」副題「松江久志の植物短歌歳時記」より

 

最初の歌、義母と有るのは松江夫人岩見純子の母上門脇あい子である。門脇あい子は優れた歌人でこの短歌研究の四,五,六号に登場している。娘時代からほとばしる感性の瑞々しくも優しい歌を数多く詠んだ門脇あい子が歳を重ねて、今は車椅子から桜を見ている。万朶の桜なのであろう、向き向きにと有るから押し合い圧し合いするほど見事にこぼれんばかりに咲いているのであろう。そのはじけるようなピンク色の桜は義母上にとって見飽きると言う事は無い。

二首目、見の限りの桜とは見渡す限り桜一色と言う事なのだろう。それほど見事に咲いている桜の下に愛妻を立たせでシャッターを押すその朝の清々しい事よと詠っている。幸せを絵に描いたような、なんとも羨ましい光景である。

ここまで書いて私は小学唱歌の桜を思い出した。この歌は外国の人でも知っている代表的な日本の歌である。

 

「さくらさくらやよいのそらはみわたすかぎり

かすみかくもかにおいぞいずる

いざやいざやみにゆかん」

 

「桜

サクラ

Prums

Cherry blossom

Japanese cherry blossom

バラ科落葉花木

日本を代表する花木

ヤマザクラがサクラの原種

単弁で白く花と共に新芽がでる

 

【花言葉】優れた美人 精神美 純潔」

「花宇宙」より

 

歌人 石井志をん 千葉県出身、カリフォルニア、サンタクルーズ、フェルトン市在住、日刊サン短歌部門の選者を務める、カリフォルニア短歌会会員、新移植林会員。
二〇二二年一月記

 

(注、カリフォルニア短歌会はロサンゼルス在住の松江久志主宰、新移植林はロサンゼルス在住の中条貴美子主宰、どちらにも北米と日本の歌人が在籍)