2021 / オンライン講座/世羅先生と古典を読む会、第14回 「源氏物語」講義、第47帖「総角」(あげまき)、9月15日、6PM-8PM

ロサンゼルスのカルチュラル・ニュースは、世羅博昭先生(国語教育者、広島市在住)によるオンライン講座「世羅先生と日本の古典文学を読む会」を2020年7月から毎月第3水曜日に開催しています。現在は「源氏物語」の中から「宇治十帖」を取り上げて、原文を読んでいます。

日本の古典文学の勉強は①現代語訳を使っての理解、②作品の一部を取り上げて、その部分を詳しく解説をする - の二つの方法が一般的でした。

世羅先生の教授法は、作品全体のストーリーの理解から入り、その作品の全文、あるいは、ひとつのまとまったストーリーを原文で読んでいくという方法です。世羅先生は高校生に古典文学を読み解く力をつけるための授業を20年間行い、その後、大学教授になられました。

世羅先生が40年間にわたって蓄積された綿密な教材を使って、1000年以上前の古典文学を読んでいきます。

「世羅先生と古典を読む会」は1回の参加費が30ドルですが、無料体験をすることができます。この「源氏物語」を原文でよむオンライン講座に参加してみたい方は、カルチュラル・ニュース編集長、東繁春

higashi@culturalnews.com  へ連絡ください。9月15日のZoom Meeting のリンクをお知らせします。

世羅博昭先生のオンライン講義

第14回ロサンゼルス「源氏物語を読む会」の概要

47帖「総角」(あげまき)をとりあげま

9月15日、水曜日、午後6時(ロサンゼルス時間)8時まで
日本時間=9月16日、木曜日、午前10時から正午まで

第14回ロサンゼルス「源氏物語を読む会」の概要

前回まで、「椎本」(しいがもと)の巻を読んできました。宇治の八宮が8月20日に亡くなった後、10月、薫は、宇治を訪れて、悲しみにくれる宇治の姫君たちを慰める。年末、雪の深い中を再び宇治を訪れて、匂宮を「だし」にしながら、大君に対する恋情を言葉の端々に込めるが、大君は取り合わない。年が明けて、夏、京の暑さを避けて、宇治を訪問し、大君と中君の喪服姿を垣間見て、それぞれの魅力に大君への思いを深める。この一連の流れを読んできました。

今回から、新しく、「総角」(あげまき)の巻を読んでいきます。八の宮の一周忌の準備に宇治を訪れた薫は、大君に思慕の歌を詠みかけますが、さりげなくかわされてしまいます。考えあぐねた薫は、弁に君に仲介を頼みますが、弁の君は慎重に対応します。その夜、薫は御簾と屏風を隔てて大君に愛情を訴え、こらえきれずに中へ入ってしまいますが、厳しく拒否されて、翌朝、むなしく帰京するのでした。

こうしたなか、大君は、自分は父・八の宮の遺言に従って独り身を貫き、薫を妹の中君と結婚させようと思案します。

喪が明けて、薫は早々に宇治を訪ねますが、大君は薫を避けて、対面を拒みます。夜になって、女房の手引きで薫が姫君の部屋に忍び込みますが、それを察知した大君はすばやく屏風の陰に隠れたので、薫は残された中君とともにむなしく夜明けを迎えるのでした。

薫と大君のすれ違いを作者がどのように描くか、ここに焦点を当てて読んでいきます。