月刊英字新聞カルチュラルニュース

月刊英字新聞カルチュラルニュース

わたしが、ロサンゼルスの日本人の英字新聞を作ってみようと考え始めたのは、1981年のロサンゼルス「加州毎日」新聞、1982年のサンフランシスコ「日米時事」新聞で、記事編集の仕事をしたことが、きっかけでした。

当時の日系新聞が一番、力を入れていたことは、1面に載する翻訳記事でした。ロサンゼルスならタイムズ紙、サンフランシスコならクロニクル紙の中から編集長が選んだ英文記事を日本語に翻訳するのが、編集部員の仕事でした。翻訳が終わらないと、取材へも行けません。

アメリカに来て、毎日、英文和訳をやっているうちに、今、アメリカにいる多くの日本人は、わたし以上に英語がよく読めるのだのろうと、考えるようになりました。実際、日系新聞の編集室への訪問者は、アメリカで大学を卒業したひとが多く、博士号を持っているひとも珍しくありませんでした。

1981年にわたしの頭の中に取り付いた小さなアイディアの種が、発芽するのは、それから17年後の、1998年のことでした。1992年9月から1998年3月まで、5年半、わたしは、共同通信社の子会社で、ニュース販売を担当する共同ニュース・カリフォルニア社のロサンゼルスの責任者をやっていました。

このとき、たくさんのプレスリリースと呼ばれる英文記事がファックスや郵便で通信社に送られてくることを体験しました。そして、プレスリリースを集めるだけで、新聞ができることに気が付いたのでした。

英字新聞「カルチュラルニュース」の紙面では、この新聞が日本人のための新聞であることは強調していません。日本文化をアメリカに広めるための新聞であることを強調しています。

戦後、移民ビザでアメリカに来る日本人の大半は、女性で、アメリカ国籍の男性と結婚しているケースが大半です。こうした国際結婚の家庭には、日本人のための新聞よりも、日本文化の新聞こそが、必要とされているのです。そして日本文化の新聞であることで、アメリカ国籍の日本絵画や日本文化愛好家たちが、カルチュラルニュースの購読者になってくれました。

(カルチュラルニュース編集長、東 繁春  2016年9月21日 記)

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東繁春はなぜ、英字新聞を作っているのか (リンク集)

No. 1:  1981年で、すでに実態とかけ離れていた日系新聞の編集方針
http://digest.culturalnews.com/?p=5194

No. 2: アメリカ国籍男性と結婚するために渡米する日本人女性
http://digest.culturalnews.com/?p=5191

No. 3:  21世紀の日本人コミュニティーの存在意義
http://digest.culturalnews.com/?p=5185

No. 4:  記者ないなくてもメディアは作れる
http://digest.culturalnews.com/?p=5180

No. 5:  十人の篤志家を求めています
http://digest.culturalnews.com/?p=5176