2018/日本人の国際貢献:サンタバーバラで40年間、姉妹都市の交流に携わっている脇田孝子さんが平成30年外務大臣表彰を受ける、10月17日

外務大臣表彰を受けた脇田孝子さんと千葉明・ロサンゼルス総領事(Cultural News Photo)

外務大臣表彰を受けた脇田孝子さんと千葉明・ロサンゼルス総領事(Cultural News Photo)

日本と外国との交流に貢献した個人と団体を日本政府が評価する平成30年外務大臣表彰が7月17日に発表された。ロサンゼルス総領事館管内では、サンタバーバラ在住で、姉妹都市運動に40年以上に渡り貢献してきた脇田孝子さんが受賞した。10月17日、午後に、ロサンゼルス総領事公邸で、千葉明総領事から脇田孝子さんへの外務大臣表彰状が渡された。総領事公邸には、主にサンタバーバラから、脇田さんの友人ら35人が招待され、外務大臣表彰をお祝いした。

脇田孝子さんは、北海道札幌市の生まれ。北海道教育大学を卒業後、結婚したばかりの夫、脇田ひさしさんがフルブライト奨学生としてカリフォルニア大学サンタバーバラ校に留学しため、1969年、すでにサンタバーバラにいた夫のもとに、船で渡米した。脇田孝子さん自身も、カリフォルニア大学サンタバーバラ校の学生になり、アジア・スタディーで修士号を得ている。
サンタバーバラ市と三重県鳥羽市が1966年以来、姉妹都市関係を結んでいることから、脇田さんは1977年からサンタバーバラの姉妹都市プログラムに参加する。

10月17日にロサンゼルス総領事公邸で外務大臣表彰を受けた脇田孝子さんはあいさつで「1970年代のサンタバーバラでは、一般のひとは日本に対する知識がなかった。当時、わたしが参加したオペラ・ミカドで、監督から日本人役は顔や肌を黄色く塗ぬりなさい、という指示があった。公演の終ったあと、アメリカ人の知人から、日本人らしいメイクだと言われてことがショックだった。姉妹都市の交流をとおして、じっさいの日本を伝えたいと思った」と語った。

脇田さんは、1988年に鳥羽市との交流を活発にするために、非営利団体「サンタバーバラ市・鳥羽市・姉妹都市協会」の設立に尽力し、協会の初代会長に就任した。1988年という年には、サンタバーバラにあるイルカ像と同じものを鳥羽市が購入し、鳥羽駅近くの公園に設置した。脇田さんは、このイルカ像の制作課程から輸送・設置作業まで全般にわたって協力した。

サンタバーバラ市は、鳥羽市を含む世界の7都市と姉妹都市関係を結んでいるが、脇田さんは、この7都市すべての姉妹都市プログラムに責任をもつ、サンタバーバラ市諮問委員会の委員長を1995年から現在まで23年間、務めている。

この他の脇田さんの功績は、サンタバーバラ・シティー・カレッジにおいて日本語クラスの開設とクラスの拡大に貢献した。また、サンタバーバラ植物園内にある茶室「心看庵」(しんかんあん)を使っての茶道の普及に貢献している。姉妹都市の交流のほかに、脇田さんはサンタバーバラ・ミュージック・クラブに参加し、声楽歌手としての活動も続けている。