2018/CN8・9月号の発行付録:歴史は大災害を忘れない

月刊英字新聞 Cultural News 2018年8・9月号の発行の際、コラム「歴史は大災害を忘れない」を書きました。(カルチュラル・ニュース編集長、東 繁春)

日本のメディアが頻繁に使う「被災体験を風化させるな」論調での記事つくりは、わたしは、間違いという意見を持っています。広島・長崎の被爆者にしても東日本で大津波を体験したひとも、永遠に生きることはできません。しかし、被爆体験や被災体験は、手記や絵、記録映像にして残し、その体験を元にした歌や演劇の形式で永久に語り継ぐことができるのです。日本には、千年前の当時の戦争体験・平家物語が継承されているという実績があるのです。

大災害が起こると、すぐに防災のテーマで大イベントが行われますが、わたしは、防災テーマ・イベントの前に、今回の災害で起こったことを全部記録する作業が必要と考えています。

大災害の場合、多くの人が死んだ場所や被害の大きかった場所は、写真・映像・体験記などの記録が作られますが、被災地の数が多ければ、多いほど、逆に記録されない被災地の件数が増えていきます。

また、大災害であれば、あるほど、政府の活動、自治体の活動、民間ボランティアの活動のそれぞれの件数が多くなり、政府のひとは民間活動を知らない、ボランティアは、自治体や政府は何もしてくれない、という思いが強くなります。

8月の広島取材で、一番の発見は、国土交通省の緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)の存在でした。(CN8月9月号では、まだ、記事にしていません。) この派遣隊活動が始まって10年が経っています。2011年の東日本大震災のときは、発災3日目に500人以上の調査隊員が被災地に入っていました。そして今回の7月豪雨時も、7月8日には200人以上の調査隊員が現場に入っていました。

この国土交通省の調査活動によって、政府は大災害の全体のようすを知ることができ、メディアもその内容を報道することができるのです。

CN8月9月号では「小屋浦2丁目サポートグループ」という民間ボランティアの活動、呉市危機管理課の発信した防災情報メールの内容、呉にある海上自衛隊の活動、そして、被災地自治体に寄付金を送ることができる「ふるさとチョイス」サービスを紹介しました。

災害は、その規模が大きいほど、より多面的な取材をしないと、全体が見えてこないと思いました。

Tags: ,

Comments are closed.