2018/東日本大震災の被災地・岩手県大船渡市の市長がロサンゼルスの消防局本部長と会談、国際救助隊に参加していた消防隊員の大船渡への招待計画が決まる

8月30日、ロサンゼルス・カウンティー消防局本部を訪問した戸田公明大船渡市長(左)、ダリル・オスビー消防局本部長(中)、日米の懸け橋役のNPO 団体、LOVE TO NIPPON PROEJCT代表の鵜浦真紗子さん(右)(Cultural News Photo)

8月30日、ロサンゼルス・カウンティー消防局本部を訪問した戸田公明大船渡市長(左)、ダリル・オスビー消防局本部長(中)、日米の懸け橋役のNPO 団体、LOVE TO NIPPON PROEJCT代表の鵜浦真紗子さん(右)(Cultural News Photo)

2011年3月11日の東日本大震災の際、米国からの国際救助隊が発災から48時間後には在日米軍・三沢基地を経由して、岩手県大船渡市(当時人口・約4万1000人)に到着していた。このとき、約70名の米隊員は、ロサンゼルス・カウンティー消防局から派遣されていた。

2020年東京オリンピックの関連事業、復興「ありがとう」ホストタウンの認定登録を受けた岩手県大船渡市は、戸田公明(とだ・きみあき)市長ら5人を8月27日から9月1日まで、米国に派遣した。戸田市長らは8月30日には、ロサンゼルス・カウンティー消防局本部長と会談し、東日本大震災に派遣されたロサンゼルス・カウンティー消防隊員を大船渡に招待することを説明、本部長も快諾し、ロサンゼルスの消防隊員たちを2020年夏以降に大船渡市に派遣したい、と答えた。

日本政府の内閣官房東京オリンピック・パラリンピック推進本部事務局は、2011年東日本大震災の被災3県の岩手県、宮城県、福島県の自治体(市町)が、これまで支援を受けた海外の国や地域に対し、感謝の気持ちを伝えるとともに、復興した被災地に招待することなどを目的とした、復興「ありがとう」ホストタウン制度を創設した。

復興「ありがとう」ホストタウンの指定を受けた大船渡市は、2018年には、1)在札幌米国総領事館の広報文化交流担当領事によるトークセッション、2)2011年の米国際救助隊に参加したバージニア州フェアファックス・カウンティー消防局隊員の招待、3)アメリカ人ジャズバンドによるジャズコンサートの開催、4)サンディエゴの中学生との野球交流、を行った。

今回の戸田市長らの訪米の目的は、来年度以降に、1)米国陸上競技連盟(本部・インデアナポリス)から選手、トレーニング・コーチを招き、大船渡市内で高校生対象の陸上プログラムを実施すること。2)ロサンゼルス・カウンティー消防局隊員を招待し、大船渡の復興状況を見てもらい、大船渡市の消防隊員や大船渡市民との交流会を行うこと、だった。

今回の大船渡市からの訪問団は、戸田大船渡市長、大船渡市教育委員会の職員2名、大船渡市内の高校生代表2名の計5名。

戸田市長とオスビー本部長の会談は2016年7月に続き今回が2度目。大船渡市出身で、ロサンゼルスで毎年、2011年東日本大震災の追悼集会を主催するLOVE TO NIPPON PROJECT代表の鵜浦真紗子(うのうら・まさこ)さんが橋渡しをした。

8月30日は、大船渡市の訪問団5名とLOVE TO NIPPON PROJECTの3名が、本部長との会談後、ロサンゼルス・カウンティー消防局のディスパッチ・センター(緊急電話・救急サービス派遣センター)を見学した。

大船渡市では、2018年には、4件の復興「ありがとう」ホストタウン事業

1)2018年2月23日 在札幌米国総領事館の広報文化交流担当領事のハービー・ビーズリー領事を大船渡市に招いて「これからの国際交流」と題したトークセッションを開催し、市民約200名が参加した。日本人の妻を持つ領事の実体験をもとに、言葉だけに頼らない国際交流の在り方や、スポーツや音楽を通じた交流の例を聞いた。

2)2018年3月11日から3月13日 2011年3月に大船渡市で捜索救助活動にあたったバージニア州フェアファックス・カウンティー消防救助隊から隊員2名を招待し、交流会を持った。東日本大震災追悼式への参加、大船渡市消防本部の訪問、新しく建設された消防庁舎を見学した。また、当時共に捜索救助活動にあたった大船渡市の消防隊員とも再会した。このほか、復興した地区の視察、公民館での太鼓の演奏会、茶道などを体験した。

3)2018年6月27日 ニューヨークを拠点に活躍する「AMP TRIO(アンプトリオ)」のメンバーによるジャズコンサート「What’s Jazz?」を開催した。在札幌米国総領事館のビーズリー領事の仲介で実現した。アンプトリオのメンバー ペリン・グレースとマット・ヤングに、日本国内で活躍するサックス奏者ベン・ジャンソン、日本人ピアニスト井上祐一による一夜限りのスペシャルバンドによるコンサートで、定員200名のところ約250名が来場した。

4)2018年8月1から8月8日 サンディエゴから野球少年9名が来日し、大船渡のこどもたちと野球を通じた交流を行った。震災後、サンディエゴで活動する「サンディエゴ・ティファナ日本協会」の支援により、相互に訪問し交流を続けていたプログラムであるが、今年度はホストタウンの交流事業の一環として行われた。滞在期間中は市内の一般家庭にホームスティしたほか、大船渡夏祭りに参加し、屋台での買い物や花火などを楽しんだり、大船渡市内の綾里(りょうり)中学校の生徒と、書道やカードゲーム、スイカ割りをした。